マライさんはドイツの方らしい。NHKでドイツ語の番組をお持ちらしいが、日本について「なかなか」良く知っている。
                                     マライ・メントライン
【感動をありがとう!】…というのは五輪など、日本のスポーツ決戦報道でよく見る言葉ですが、ドイツでは見たことありません。理由は多分「共同体への奉仕を遠回しに強要してる」言葉として解釈されるからです。文化的文脈の違いですね。興味深い。

ちなみに「感動をありがとう」文化発生に至るまでの日本スポーツ言霊史を遡っていくと、「幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません。何卒 お許し下さい」という衝撃的なコトバに行き着きます。ものすごく色々と考えさせられます。

   【感動をありがとう!】

 オリンピックの話題をきのう書いたが、今日の閉会式の日本のアピールはすごかった。財政的に厳しいブラジルがあのようなショーをするほど予算はないだろうから『日本持ち』なのだろうが、相当のアピールができたと思う。国歌を歌うのは行き過ぎとは思うが、アニメや漫画では世界を席巻していることは確かだろう。ただ、その分野に関心がある人々の割合は世界では少ない。それが日本のジレンマである。

 マライさんのツイートを読むまで忘れていたが、確かに数十年前に「メダルの重圧」に耐えかねで自殺した選手がおられた。ニュースなどで『オリンピックはどうでしたか』とインタビューを受けた主婦らしき皆さんが異口同音に『楽しませていただきました。』と答える国、ニッポン。なぜ、自分が楽しんだのではないのか、不思議の国『日本』なのである。私のように外れているものもいるが…。

 日本が予選敗退後も『男子サッカー』だけは時間を作ってみていたが、「ドイツ」の強さと、「ブラジル」の個人技は光っていた。案の定というか、大方の予想通りと言うか、その両国での決勝戦となった。皆さんも、と思うのだが、男子400mリレーの銀メダルにはびっくりした。全く縁遠い種目と思われていたのが、メダル争いまで果たしたのだ。そのうえ、欧州のように「肌の色」が違う選手が混ざっていて、「レイシズム」で名をはせる日本にとっては一縷の望みのような光景だった。--内実はともかく--

       NHKおはよう日本

 そんな中で、NHKが「オリンピック開催の意義」を番組中で解説したのだそうだ。相当の批判が沸き起こっているが、これがNHKの考え、政府の考えなのだろうことは想像に難くない。

                                2016年8月22日 日刊ゲンダイ
 ビックリ仰天した視聴者も多かっただろう。21日のNHKの番組「おはよう日本」。オリンピックを扱ったコーナーで、「五輪開催5つのメリット」としてナント! 「国威発揚」を挙げていたからだ。

「リオ五輪 成果と課題」と題し、刈谷富士雄解説委員が登場。刈谷解説委員は、まず、過去最多の41個のメダルを獲得したリオ五輪の日本勢の活躍について「目標を達成した」と評価。そして、2020年の東京五輪に向け、競技人口の底上げやスポーツ環境を整える必要性を訴えた。驚いたのは次の場面だ。

「何のためにオリンピックを開くのか。その国、都市にとって何のメリットがあるのか」と投げ掛けると、五輪のメリットとして真っ先に「国威発揚」を示したのだ。

 オリンピックを国威発揚の場にしたのがナチス・ドイツだ。聖火リレーの導入やサーチライトを使った光の演出など、ヒトラーは権力を世界に見せつけるため、徹底的に政治利用した。その反省から生まれたのが、オリンピック精神の根本原則を示した「オリンピック憲章」だ。JOC(日本オリンピック委員会)のホームページでも「オリンピズムってなんだろう」と題したコーナーで、こう記している。〈『人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会を奨励する』というオリンピック憲章の精神は、戦争や独裁政治、国威発揚とは相いれない〉                           (引用終り)

 スポーツと政治は別、という観念も「西側の不参加」、「東側の拒否」などと「ナチス」以降のオリンピックでも政治に踊らされている。それが、オリンピックで政府への反対をアピールするなど『あってはならないこと』として、1968年のオリンピックでの出来事を紹介したが、今回も男子マラソンで同じような『政治的』アピールがあったのだそうだ。こんなことは「当事者以外」はなかなか気が付くものではない。見ていたが、全く分からなかった。第二第三のピーター・ノーマンを生まないためにも、無関心ではいけない。とはいっても、売り上げにつながらないのか、日本のマスコミの記事は少ない。欧米系の記事は扱いも日本のマスコミに比べて大きい。英語で(Feyisa Lilesa)と検索すると、数多くの記事がヒットし、その内容の量と質の違いもはっきりする。日本と言う国の「有り様」がにじみ出ている。
 
                                  2016年8月22日 朝日新聞
 (男子マラソン)2位で戻ってきたエチオピアのリレサは高く掲げた両手でバツ印をつくりながらサンバ会場の長い直線を走った。命がけの訴えだった。「エチオピア政府はオロモ族を虐殺して土地を奪っている。私の親戚は逮捕された。民主的な権利を訴えれば殺されるだろう。だから、彼らを守るために私は手を上げたんだ」

 26歳のリレサは、最強と見られていたキプチョゲに35キロ過ぎまで食らい付く頑張りをみせた。「私はエチオピアに戻れば殺されるだろう。殺されなくても逮捕されるだろう。まだどうするか決めていないけど、恐らく他の国に行くつもりだ」と話した。                (引用終り)

      民族弾圧に抗議するポーズ
                                       写真はAFPさん

【8月22日 AFP】リオデジャネイロ五輪で21日に行われた陸上男子マラソンで銀メダルを獲得したエチオピア代表のフェイサ・リレサ(Feyisa Lilesa)が、ゴールインする際に自国政府の弾圧に対して抗議を表明するポーズを取ったために、自分の命も危険にさらされる恐れがあると語った。

 リレサは、優勝候補だったケニアのエリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge)に次いで2位でゴールする際、頭上で腕を交差させ、エチオピア政府が異議を唱える人々を弾圧していることに対して抗議の意思を表した。

 リレサは「祖国では刑務所に入れられている身内が何人もいる」と述べ、さらに「民主主義について話をすると殺される。エチオピアに帰ったら私も殺されるか、投獄されるかもしれない」「私の国は危険だ。別の国へ行かなければならないかもしれない。どこであれ、自由がない人々のために抗議した」と語った。

 人権団体によれば、エチオピアでは2つの主要地域、中西部のオロミア(Oromia)と北部のアムハラ(Amhara)で相次いで発生した反政府デモを当局が弾圧し、この数週間で治安部隊によって多数の市民が殺害される事態に発展している。
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