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 もうすぐ『日ロ首脳会談』があるはずだが、マスコミは「プーチン、プーチン」と騒がない。あの「プーチンフィバー」はいったい何だったのか、と国民も疑問に抱かない。今は「日本に味方するトランプ様」への強い関心がある。特に韓国との関係で「トランプ様」は心強い味方である。しかし、もう少ししたら、「プーチン」同様、「トランプ様」の話も出てこぬようになるだろう。

 あまりの暑さで更新できなかったブログだが、そろそろ気温も納まってきた。この期間に起きた大きな出来事は「GSOMIA」の韓国による破棄通告(日本の報道によると)だろう。両国とも「GSOMIA」の破棄は考えていたはずで、日本の報道によれば、『韓国のほうが利益を得ていた』というのだから、破棄する方向に進んでいたのだろう。ところがアメリカが協定維持の気持ちが強いので、少し躊躇していたに過ぎない。いずれにしても「GSOMIA」の破棄というマスコミ報道は恣意的である。

 GSOMIAは有効期間1年で自動更新付きの協定。韓国は期間満了で更新しないという意思表示をしただけで、期間半ばで協定を反故にし破棄した訳ではない。あたかも途中で破棄するかのようなニュアンスは控えたほうがよい。日本が次々と打ち出した「輸出規制」「ホワイト国適用除外」は日本政府に言わせるならば「安全保障上の理由」だというのだから、言われた「韓国」の方は「安全保障上問題のある国と思われているのに、軍事同盟を結ぶ意味がない」ととるのは至って当然で、日本政府もこういう事態を予想していたであろうと思える。

 しかし、毎回毎回テレビで首相発言として次のようなフレーズが流される。「韓国に対しては日韓請求権協定への違反の解消といった、まず国と国との信頼関係を回復し、そして約束をまずは守ってもらいたいというこの基本的な方針には今後も変わりはありませんし、彼らが国と国との約束を守るように求めていきたい」。

 よく言うよ、と思える。安倍内閣は「河野談話」「村山談話」を破棄し、別に「安倍談話」を発表することを主張して生まれた。もちろん、韓国の文在寅も「慰安婦合意破棄」を訴えて登場した。どちらも、「国と国の合意」の破棄を訴えて登場した内閣である。日本だけが何も『過失』がないような報道に驚きを禁じ得ない。

 日本国民は75日たつとすべてをきれいに忘れてくれるから、何も反論は出ないのだろうが、韓国への輸出規制三品目の理由としては「サリン」「ミサイル」の原料となるこれらの品目が、韓国を通じて危険な国々に横流しされている、と当初報道された。その報道は2,3日続き、ある時から突然、ピタリとやんだ。「安全保障上の理由で経済制裁をしている」、「国と国の約束を守らない韓国へは信頼がおけない」と首相をはじめ、政府高官が口を極めて韓国をののしった。それも、7月2日、そして参院選挙公示日の7月4日に実施した。Jアラート(空襲警報)を鳴らしまくって選挙をしたこともあった。そういう手段の1つだったとしか言いようがない。

 ものの見事に「内閣支持率」が上がり、「韓国たたき」は有効であることを学習した。さらに「ホワイト国除外」。この説明も二転三転した。「韓国のように国と国の約束を守るという国際常識が通じない国を優遇することなど、できるわけがない」という説明が、ある時ピタリとやんで、単なる「経済的な判断であって、ABCDのランクをAからBへ1つ下げるにすぎない。」などと説明しだした。大した処置ではない、などとコメンテーターが懸命に説明する。であるなら、何も政治的に余裕のない(幹部が選挙応援に行っている)「参院選期間中」ではなく、そのあとで実施しても何らおかしくないのだが、なぜか、マスコミ報道は「参院選」から「韓国制裁一色」に変わったのである。アメリカも日本も「選挙のためなら何でもやる」政権になってしまった。

 イギリスBBCはこの問題に対して次のような記事を上げている。日本国内との報道姿勢の違いに注目したい記事である。

                          2019年08月23日 BBC
日本と韓国が外交と貿易をめぐって仲たがいしている。韓国政府は22日、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄すると発表した。これに先立ち日本が、日貿易管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」のリストから韓国を除外すると発表したほか、重要な工業製品3品目についても韓国向け輸出の優遇措置を解除している。

現代における両国は、日韓併合や第2次世界大戦を経て今もぎくしゃくした関係が続く。韓国は、日本が朝鮮半島を併合していた時代に行った残虐行為について補償を求めている一方、日本はこの問題は解決済みとしている。

韓国政府はGSOMIAの破棄について、日本が韓国を貿易優遇措置から除外したことで、両国の安全保障上の協力関係に「重大な」変化をもたらしたためと説明している。これに対し日本の河野太郎外相は、「地域の安全保障環境を完全に見誤った対応」だと反論。韓国に対し「断固抗議する」と話した。


 慰安所マップ
 慰安所設置場所と慰安婦の年齢構成 --クリックすると拡大できます。--

昨年11月、韓国大法院(最高裁判所に相当)は三菱重工業に、第2次世界大戦中に同社の軍需工場で労働を強制された韓国人の元徴用工らに対する賠償支払いを命じる判決を下した。訴訟対象となった三菱重工は、大法院の決定には応じない方針だと報じられている。日本製鉄(旧新日鉄住金)と不二越の韓国内資産については、先月23日、大田地方裁判所が売却申請を受理した。この問題をめぐり、韓国では日本製品のボイコット運動なども起きている。

日本と韓国は複雑な歴史を共有している。両国は少なくとも7世紀から戦いを繰り返し、日本はたびたび朝鮮半島に侵攻している。現代における両国の主な確執は、1910年の韓国併合から始まった。

第2次世界大戦では、アジア各地の数万人とも20万人ともいわれる女性が、日本軍向けの売春婦として連行された。「慰安婦」と呼ばれるこの女性たちの多くは朝鮮人だった。(上の図は本ブログにて挿入したもの)また日韓併合の後、多くの朝鮮人男性が日本軍に強制的に徴用された。

日本が第2次世界大戦に敗北し、朝鮮半島の統治に終止符が打たれてから20年後の1965年、韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領(当時)は数億ドルもの補償金や融資と引き換えに、日韓関係を正常化させる日韓基本条約に合意した。日本は、この時に支払った8億ドル以上の「経済協力金」によって戦時の補償は終わっていると主張している。しかし、「慰安婦」は繊細な問題として残り、解決には程遠い。

2015年、日本は慰安婦問題について謝罪を行い、被害者を支援する基金に、韓国が求めていた額である10億円を拠出することで合意した。日本の安倍晋三首相は当時、「今後、日韓は新しい時代を迎える」と述べ、「子や孫、その先の世代の子どもたちに謝罪し続ける宿命を負わせるわけにはいかない」と語った。

しかし、韓国の活動家は相談を受けていないとしてこの合意を拒否した。2017年に就任した文在寅(ムン・ジェイン)大統領も、合意の改定を示唆している。歴史的な確執はなお続いており、両国とも折れる気配はない。
          (引用終り)

 世界の大勢の考えであろう。決して韓国が「100%悪い」わけではない。まず、日本側に『戦争加害者』としての考えが不足していることが、ことを複雑にしている。いまは、「(表向きはそういわないが)加害行為はなかった」と主張する内閣を戴いている。BBCですら『2015年、日本は慰安婦問題について謝罪を行い』と述べているが、国内では「慰安婦はなかった」ことにされ、いたのは「高給売春婦だ」という意見がまかり通っている。14,5歳の少女が「金目当てに朝鮮半島から」図で示した地区に来たとは考えにくい、というアメリカの裁判判決も納得がいく。ましてや、その年代の少女を軍が独占的に利用したとなれば、それだけで終りだ(どの国も日本を支持しない)と日本国民は早く気が付かねばならない。今までは極右本だけだったが、最近ではテレビでも流されるこうした「国内でしか通用しない論理」で世界と対話することには相当の無理がある。

 マスコミの報道で韓国に対してだけは、「日本の100%正義」という論調があまりにも強い。日本の弱点はまるでないかのような「こうした考え」は、結果として日本を追い込む。日本が勝つためには、その論理構成の弱点を補強、修正していくような考えを提唱することこそが重要なはずなのに…。
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