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戦中の庶民の生活を知ることこそが 「愛国心」「国家、国旗」「あのころは良かった」などという言葉から あなたを守ることになるだろう。

  早川タダノリ 氏が書かれている ブログが面白い。 最近世情に疎いので私は知らなかったが いろいろ本も書かれているらしい。 (『神国日本のトンデモ決戦生活』(合同出版→ちくま文庫)『原発ユートピア日本』(合同出版)『「愛国」の技法』(青弓社) など --  その中から 最初の2つを紹介しよう。 なお、 文中太字は 早川氏の強調であり、 青文字赤文字は 当ブログの責にあるもの

                                                     March 05, 2010  虚構の皇国
虚構の皇国

                     狂気の「ぶち殺せ!」標語

昭和17年から20年までの、いわゆる「決戦下」の婦人誌は、「必勝の耐乏生活」 「勝利の頑張り生活」「戦う育児生活」などなど、特集タイトルを見るだけで、泣けてくるほどのトンデモぶりだ。

中でも『主婦之友』のこの号(昭和19年12月)は群を抜いてい る。特集は「これが敵だ! 野獣民族アメリカ」。興味深い記事内容は次回に紹介するとして、それ以上にスゴイのが、総52頁のうち21頁にわたって

            アメリカ兵を打ち殺せ

         アメリカ兵を打ち殺せ-2-

          アメリカ兵を打ち殺せ-3-

         アメリカ兵を打ち殺せ-4-

という4パターンのスローガンが刷り込まれていることだ。1頁めくれば「……ぶち殺せ!」次の頁には「……生かしておくな!」……。
これには驚いた。誌面全体が異様な憎悪と興奮に満ちている。『主婦之友』編集部の〈呪い〉にも似た「ぶち殺せ」スローガンは、敗戦直前の昭和20年6月号まで続き、-- 中略 -- さまざまなバリエーションで繰り返された。戦時史研究家・高崎隆治氏によれば、この『主婦之友』昭和19年12月号は古書店でもきわめて入手が難しい という。氏は、敗戦時に主婦之友社が戦犯追及から逃れるために回収・焼却したのではないかと推測している。 --注-- 国家自体の公文書も 戦犯追及を免れるために焼却されているので、 十分あり得る話だろう。 --

こんなに直接的に「殺し」のアジテーションを刷り込んだモノは、他には見たことがない。「米鬼」への憎悪を煽る編集方針は、戦局敗色濃いなかで、民衆の間 にひろがる厭戦気分にカツを入れろという思惑だろうか。だけどこれは婦人誌だぜ?

どうやら『主婦之友』編集部は「ぶち殺せ」ではもの足りなかったようだ。同号末尾には賞金30円で「米 鬼絶滅を期する一億の合言葉を!」と、さらに過激な標語を募集している。

                    アメリカ兵を打ち殺せ-5-
               米鬼を「中韓」と置き換えると 今とそんなに変わらないと思えるが …

かくして、「一人十殺米鬼を屠れ!」なる陰鬱な標語群が、「防空用品の工夫」といった実用記事にまじって誌面に乱舞するにいたった。合掌。

                     「野獣民族アメリカ」の恐怖

『主婦之友』昭和19年12月号の特集は「野獣民族アメリカ」。 昨今の情勢から思わず「最近の雑誌?」と思う人は、皇国トンデモ本初心者です。

巻頭の無署名記事「これが敵だ!」では、これでもかこれでもかと、思いつく限りのアメリカ人の野獣ぶりを書き立てている。

「血のしたたる生の肉を喜んで食うアメリカ人は、野球、拳闘、自動車競争などを殊に好み、死人や大怪我人が出ると、女はキイキイ声を張り上げて喜び、満場大喜びで騒然となる」

「肉」というキーワードにこの匿名筆者は執着して いる。

「貪婪にも、己がより多くの肉を喰らい、よりよき着物を着、よりよき家に住み、より淫乱に耽けらんがために、……非人道の限りを尽くして日本の首を締め続けて……」

とも書いている。アメリカ人を語るさいに、まず「肉を食う」から始めるところが興味深いが、淫乱願望も含めて、この匿名筆者の秘められたる 欲望を書いたのにちがいない。
さらに激しいのが、2番目の無署名(これも!)記事「敵のほざく戦後日本処分案」 だ。

「働ける男は奴隷として全部ニューギニアやボルネオ等の開拓に使うのだ。女は黒人の妻にする。子供は虚勢してしまう。かくして日本人の血を絶やしてしまえ」「日本の子供は不具にするに限る。目を抉ったり……片腕や片脚を切り取ったり、ありとあらゆる形の不具を作るのだ。こうした動物の如き子供らが街頭を右往左往するのは実に面白い観物であろう」

誰の発言なのかをひとつも書いていないのに、当時の人は信じたのだろうか……と思う人は、まだまだ修行が足りない。実はわが帝国軍隊が中国でやったことのアレンジだから、当時はリアリティを持って受け取られたに違いない。婦人誌だけあって、戦争に負けると【女はレイプ、子供は去勢&見せ物】と、神国日本の貞淑な婦人たちを恐怖におののかせるアイテムが要所要所に散りばめられているしね。

戦争に民衆を動員する最後の精神的武器は、「敵への恐怖」をくりかえし叩き込むことだった。これによって、サイパンや沖縄などで、多くの女性たちが米軍へ の投降を恐れて自ら命を絶った悲劇を思うとき、こんな記事を書き散らした匿名野郎への怒りが腹の底からこみ上げてくるのだ。                                    (引用終り)

 こんな記事を読んでも、 最近では 当時が今とそんなに懸け離れていないように 感じるようになってしまった。 それなりに 60年余りはうまくいっていたのだが、 体験から はっきり否定できる世代が居なくなると同時に こんなに様変わりするのが 今だに信じられない。 「あのころがよかった」と いう人々が出てきた。 ほとんどの方が 当時を知らない世代であるのに …  当時の雑誌について書かれている 虚構の皇国は 一度は見られておいたほうが良いのではないだろうか。

                                                 リンク → 皇国トンデモ本
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