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長谷部恭男・早稲田大学教授と、小林節・慶應義塾大学名誉教授の2つの記者会見  記者クラブ向け講演と 外国特派員協会での 一問一答

 HuffPostと blogosの2つが 長谷部恭男・早稲田大学教授と、小林節・慶應義塾大学名誉教授の記者会見の模様を 詳細に伝えている。 HuffPostは 日本記者クラブでの記者会見を中心に、blogosは 外国特派員協会の会見を中心に書いているが、 視点としては 外国特派員協会の方が 日本人にとっては興味のある質問 (核心部分をズバリ聞いている) になっている。 まず 外国特派員協会の方から紹介しよう。

(英国 エコノミスト誌)政府は集団的自衛権を行使する場合の想定シナリオをなかなか出さない。 具体的には、どういう事態を想定しているのか。 なぜ出さないと思うか。  また、安全保障法制を「合憲」としている3人の学者は皆「日本会議」に属している。 その意味や、「日本会議」の影響力をどう見ているか。

長谷部教授: ホルムズ海峡の件については、ご存知のようにイランとアメリカは友好的な関係を迎えつつ有りまして、ホルムズ海峡が封鎖されることも具体的には想定しにくいと思います。 むしろ、政府の側は、集団的自衛権が行使されること、それ自体が目的なのではないかと考えております。

小林教授: 日本会議に沢山の知り合いがたくさんいるので私が答えますが、日本会議の人々に共通する思いは、第二次大戦で敗けたことを受け入れ難い、だから、その前の日本に戻したいと。かれらの憲法改正案も明治憲法と同じですし、今回もそうですが、日本が明治憲法下で軍事五大国だったときのように、アメリカとともに世界に進軍したいという、そういう思いを共有する人々が集まっていて、かつそれは、自民党の中に広く根を張っていて、かつよく見ると、明治憲法下でエスタブリッシュメントだったひとたちの子孫が多い。そうするとメイクセンス (理解できる) でしょ 。

自民改憲案やばい 97条

(米国ブルームバーグ)ガイドライン(日米防衛協力のための指針)で、すでに日本は米国と色々な約束してしまっています。その約束を果たすために、今安全保障法制が議論されているのだと思います。もし法制が整備されないとなると、日米の関係が悪化することが考えられないでしょうか

長谷部教授: まず、できるかできないかもわからないことを先に約束してしまうということが大変リスキーな戦略だったと思っています。 これがうまく成立しなければ日米の関係が悪化することもあるかもしれませんが、それはもともと無理な約束をしたことに原因があるのだと思います。

小林教授: 私は日米関係は悪くならないと思います。つまり、日本とアメリカの官僚は頭がいいですから、ガイドラインが法的拘束力がないことを知っていますから、勝手に夢を語り合って、ガイドラインの上に法律があって、法律の上に条約があって、条約の上に憲法があって、"あ、やっぱだめだった"、で済むんじゃないですか

     安倍政権を批判-1-

(英国 ロイター)まだ現段階では早いかもしれませんが、数の力で強行採決することも考えられると思います。その場合、どのような法的手段で対抗できると思いますか。 もし違憲訴訟がおきたとしても、最終的な判決が出るまで法律は生きたものでになりますので、その間、どうなるのでしょうか。 また、今までの最高裁判決を見ますと、明らかに違憲であったとしても"違憲状態"という判断をし、"無効"という判断をしてくれないようにも思う。

長谷部教授: 最近、最高裁は変化をしつつありますので、今までと違う態度を取る可能性はあると思っています。 ただ他方、裁判所に頼りすぎるのも良くない。まず次の国政選挙で新しい政府を成立させ、一旦成立したこれらの法律を撤回させることを考えるべきだと思います。

小林教授: 弁護団の一員として、訴訟の準備をしています。それは法律が有効になった瞬間から、今までの日本には無かった、海外で戦争をする危険が具体化するんですね。ですから、平和に生きる権利が憲法前文と9条で保証されているならば、法律ができた瞬間から、それが侵されたと理解して、平和が傷つけられたという政府に対する訴訟を準備しています。かなり技術的に難しいですが。

 次の段階は、具体的に海外派兵の命令が下って、違憲な戦争で家族が殺されたと訴える。その準備を我々は既に始めています。

ー安倍政権は今回の法案を撤回すべきだと思いますか。その理由は。

長谷部教授: 撤回すべきだと思います。核心的な部分、つまり集団的自衛権を容認している部分は明らかに憲法違反であり、他国軍隊の武力行使と自衛隊の一体化、これをもたらす蓋然性が高いからです。

小林教授: 私も結論は撤回すべき。違憲というのはもちろんですが、恐ろしいのは、憲法違反がまかり通ると、要するに憲法に従って政治を行うというルールが無くなって、北朝鮮みたいな国になってしまう。キム家と安倍家がいっしょになっちゃうんです(会場から笑い)。                           (引用終り)

 大まかにだが、 内容の一部を書いてみた。 記者の質問が 「日本会議とは どんなものか。」 「日本会議の影響力はどんなか」「違憲として撤回することで日米関係への悪影響はないのか。」「強行採決するだろうが、 その場合どうするのか。」「最高裁判所は 安倍グループの言うように 違憲判断をしないのではないか。」と 答えづらい点をついている。 日本の記者も いつでもこういう質問を考えてもらいたいと思う。

 両氏とも 「この件は憲法違反であり、 学者の95%は そう考えている。」と 所信を述べ その信念に従って答えている。 気持ちがよい。 「日米関係も これほど日本が隷属しなくとも それなりに築ける」と主張する。 最高裁の判断については、 「違憲判断が出る」とは さすがに言わなかった。が、 それ以前に 「内閣打倒をすべきだ。」といったことは 大きい。 彼らの 職業上の (金銭的、 または政府委員としての登用という)  不利を顧みないこの発言は、 『渋谷デモ』に参加する皆に 勇気を与えただろうと思う。 マスコミの前で 「堂々と現政府の行為は 憲法違反」と発言したのだから …

 日本記者クラブでは、 両氏の講演が行われたようで、 外国特派員協会のような 一問一答形式ではなかったようだ。 お二人の意見が 炸裂した。 特に、 国会での発言の後、 『自民党関係者』の 度重なる「学者を馬鹿にしたような発言」には 堪忍袋のひもが切れた、そういう感じの話になっている。 まあ、当たり前だが … 一部 引用して紹介する。

      安倍政権を批判

                                                           HuffPost Japan
小林節名誉教授 今の安倍内閣は憲法を無視した政治を行おうとする以上、これは独裁の始まりなんです。自民党の方たちと不毛な議論を30年近く続けておりますが、世界の非常識のような議論が続いております。

憲法とは権力を持たない主権者、国民が権力担当者、すなわち政治家や公務員という、本来的に不完全な人間に課した制約です。しかし自民の勉強会に行くと毎回「どうして憲法は我々政治家だけを対象にしているのか」と非常に不愉快そうに言われる。

憲法ってそういうもの (自民党的考え) じゃない。 それまで神の秩序を詐称していた王様と違い、初めて一般人が権力を持った以上、権力者特有の法規が必要だと憲法を作った。 今問題になっているのは、権力者が従わざるを得ない憲法です。9条の1項は「国際紛争を解決する手段として」の戦争、すなわち1928年のパリ不戦条約以来の国際法上の慣用句として、侵略戦争のみ放棄していて、自衛戦争は放棄していない。 独立主権国家としてある以上、自然権(条文の不要な固有の権利)としての自衛権がある。これは9条があったって誰も否定はしない。しかし9条の2項で「交戦権を行使できない」と言われている。

日本国憲法は76条2項で軍法会議も禁止している。つまり軍隊を持つことは許されていないんですよ。だから我が国の領域、領海の中で、警察や海保で担えないほどの力が襲ってきた場合、自衛隊が対応する。自衛隊は警察予備隊として発足しましたから、法的には第2警察なんです。ということは「専守防衛 (しかできない) 」と自然に出てくるじゃないですか。

新安保法制は、法的にも政治的にも経済的にも愚策です。歴史を見ると、戦がない時代がないのと同様に、終わらない戦もない。そういうときに争いを「止める男」が必要です。強くて両方ににらみがきく。まさに日本がそうじゃないですか。中東でもアメリカでも「気のいい人々」と思われている。その立場を維持すべきなのに、なんでアメリカ軍の二軍にならなきゃいけないんですか。その途端に日本はイスラム教グループの天敵に加わってしまって、ニューヨークやパリやマドリードで起きたテロが東京で起こると、むしろ真面目に考えたほうがいい。日本は第三者でいるべきだと思います。

日本の経済力、技術力、マンパワー、持てる全能力を専守防衛に集中すれば、少なくとも日本は侵されない。日本が侵されなければ日本は紛争の原因にならない。南シナ海なんてベトナム、フィリピン、中国の問題ですよ。

アメリカは第2次大戦直後は世界最大の経済大国だったけど、ずっと戦争し続けて金がなくなった。戦争経済で疲弊したアメリカに肩代わりを頼まれて、日本が第二の戦争経済破綻国になることは目に見えている。こういうことを平気で考える政治家は愚かだと思います。

砂川事件の解釈も珍妙です。あそこで問われたのは在日米軍基地の合憲性です。アメリカの集団的自衛権を行使して日本に駐留することの合憲性であって、日本の集団的自衛権なんかどこも問われていない。

「統治行為論」の引用の仕方も非常に珍妙であります。統治行為論は、戦争と平和は一度引き金を引いてしまうと後戻りできない特別な行為だから、選挙で選ばれていない15人の裁判官で決めることはできない。むしろ選挙で選ばれた国会議員と、互選された総理から決めてくれということです。法的な判断はできるけどしないで、国会と内閣の法判断に一時的に委ねる。最終的には主権者が選挙で決めるということになっているんです。

長谷部先生の指摘に腹が立った政治家は「学者は字面に拘泥する」と言われる。当たり前じゃないですか。法治主義、法支配は、人間は不完全だから、前もって議論して言葉に約束をまとめてあるんです。その言葉を政治家が勝手に無視しようとしたとき、言葉の専門家が「ちょっとお待ちください」と問われたから言ったんですよ。

後方支援というのは、後ろから合体するという話。後方支援だから安全だ、弾が飛んできたら中止する。どうするんですか。捜索やめて帰ってくるんですか。野戦病院の治療を中断するんですか。宿舎の給食を中止するんですか。私が米軍だったら撃ちますよ。「ふざけるな、続けろ」と。                           

長谷部恭男教授 まず集団的自衛権行使の違憲性の問題ですが、2014年7月1日の閣議決定は、合憲性を基礎づけようとする論理が破綻しているし、自衛隊の活動範囲についての法的安定性を大きく揺るがすものです。 9条で武力行使が認められるのは個別的自衛権の行使のみです。これは政府の憲法解釈です。1954年の自衛隊創設以来変わることなく維持されてきました。集団的自衛権行使は典型的な違憲行為であり、憲法9条を改正する以外ありえない。これも政府によって繰り返し表明されてきた立場です。

自国を防衛するための個別的自衛権と、他国を防衛するための集団的自衛権は本質を異にする。前者のみが許されるとする論拠が、後者も許されるという論拠になるはずがない。「 我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」。この文言はいかにも限定的に見えますが、地球の裏側まで自衛隊を派遣して武力行使をさせようという政府の意図の間には、常人の理解を変えた異様な乖離があり、この文言が持つはずの限定的な役割は否定されていると考えざるを得ません。

機雷掃海活動を超える武力の行使についても、時の政権で必要と判断されるのであれば、行使されないという法的論拠はありません。安倍首相は「あれはしない」「これもしない」と言っていますが、それは彼が現在そのつもりであるというだけで、明日になって、来年になって考えを変えればそれまでの話、歯止めは存在しない。

砂川事件の最高裁判決を根拠に集団的自衛権は合憲との主張もあるが、問題とされたのは日米安全保障条約の合憲性でして、この条約は、日本の個別的自衛権と、アメリカの集団的自衛権の組み合わせで日本を防衛しようとするものです。日本が集団的自衛権を行使しうるか否かはまったく争点になっておりません。「わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のこと」。この文言が現れる判決文の段落は、「憲法九条は、わが国がその平和と安全を維持するために他国に安全保障を求めることを、何ら禁ずるものではない」、そういう結論で締めくくられてあります。

例えば、妻と自動車で出かけようとした夫が、車のキーを忘れたことに気づき、奥さんに「キーを取ってきて」と言ったら、奥さんは家中のありとあらゆる鍵をすべて持ってきた。夫は「いやー、僕の言葉通り、なんの区別をすることもなく、すべての鍵を持ってきてくれた。ありがとう」と感謝するでしょうか。自民党が今言っているのはそれと同じ議論で、国民を愚弄していると私は思います。

自民党の政治家の方々は、最高裁がある種の統治行為論を取ったことにも救いを求めているように見えますが、これは個別の紛争を決められた手続きのもと、限られた証拠のみに基づいて裁く裁判所が、国家の存立に関わる問題について政治部門に判断を示すべきか否かにとどまります。仮に最高裁が違憲と言わないからといって政治部門が違憲の法律を作っていいということにはなりません。

6月11日の憲法審査会で、私に対するいわれのない批判にコメントしておきたい。私が「武力行使の一体化」の問題について、戦闘地域と非戦闘地域の区分が、憲法9条の直接の要請と誤解しており、それは私が安全保障を熟知していないことに由来するという批判です。これらの議員は私の発言を素直に解釈すれば思いつくはずのない解釈を押し付けた、私が従来の政府見解を誤解したといういわれのない批判をしている。しかもそのうち公明党の議員は「私が熟知していない」つまり素人だからだという指摘も加えております。

仮に私が安全保障の素人なら、自民党は特定秘密保護法案という、安全保障に不可欠な歯車の参考人として、私という素人を呼んだことになります。今の与党の政治家は、参考人が都合のいいことを言った時は「専門家」、都合の悪いことを言った時は「素人だ」と侮蔑の言葉を投げつけます。

閣議決定は「我が国を取り巻く安全保障環境の変化が厳しくなっている」ということですが、その内容としてあげられているのはパワーバランスの変化や技術革新など、極めて抽象的なものにとどまっています。より深刻な方向に変化しているのであれば、限られた我が国の防衛力を地球全体に拡散するのは愚の骨頂。

集団的自衛権の行使を容認することが抑止力を高め、安全保障に寄与すると言われることもございます。我が国が抑止力を高めれば、相手は軍事力を強化します。安全保障が悪化する可能性も、少なくとも同じ程度はあるのではないでしょうか。こうした数多くの重大と言える欠陥を含む安全保障関連法案は、ただちに撤回されるべきと考えております。           (引用終り)

もう少しまとめようとしたが なかなか短くできなかった。 申し訳ない。
いずれも長文の記事につき詳しくは 下のリンク先をご覧ください。
                                    HuffPost  日本記者クラブ中心

                                    Bligos  外国特派員協会 一問一答
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COMMENT - 2

真剣勝負の授業  2015, 06. 16 [Tue] 20:40

いま、これ以上の憲法の授業、政治の授業はないだろう
国民も、メディアも全力で全力で学ぶ時だ。

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一言言わせて下さい  2015, 06. 16 [Tue] 22:54

そうなんだよなあ。自民党自主憲法改正に携わってきた小林節先生がこれだけ言って立ち向かっている時点で、自民党執行部のダメさ加減、選民思想による民主主義国家の危機が如実に表れてるんだよなあ。実際自民党憲法って僕らに撮ったらシャレにならん内容なんだけど。そこを護憲派も改憲派も「愛国真正保守」の皆皆様も解って欲しいのだけどね

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