パラリンピックが持つ「経済的格差というドーピング」

 ようやく「パラリンピック」もおわり、メダル放送からも解放される。「金メダルがない」と一部で騒いでいるようだが、ロシアの出場がなかったにしても『中国の圧勝』の感が強い。しかし、今までほとんど関心がなかった割には『日本も頑張っていた』ように思う…

 パラリンピックがなぜ開催されるようになったか、も今回初めて詳しく知った。『傷痍軍人のリハビリ』が目的であったと言う。そういう意味では「日本」は戦争をしていないので、国家としての意識が低かったのかもしれない。今後は「傷痍軍人」も増え、普通の国になっていくだろうから、困ったことだが関心は上がるに違いない。

                                   2016年9月13日 withnews
 パラリンピックが生まれたのはイギリスです。そして、誕生の背景に戦争の影があります。その起源は第2次世界大戦の負傷兵のリハビリのために開いたスポーツ大会。1948年にロンドン郊外のストーク・マンデビル病院でアーチェリー大会が開かれ、16人の患者が参加しました。

 それから68年。パラリンピックは五輪やサッカーW杯に次ぐ国際大会に成長し、リオ大会には159カ国・地域から約4300人の選手が参加します。ただ、戦争の影響がなくなったわけではありません。

      ラグビー用の車いす

 開会式が開かれているマラカナン競技場に、アメリカの選手団が姿を現しました。アメリカの報道によると270人あまりの選手団のうち、30人ほどの軍経験者がいます。中にはアフガニスタンで爆発に巻き込まれて失明した水泳選手や、イラクで右足を失ったシッティングバレーの選手もいます。いまも戦争がパラリンピアンを生んでいる現実があります。                     (引用終り)

 いろいろな障害を持つ人々と我々がともに生活するうえで、この大会の持つ意味は大きいのだが、今回のメダル獲得数を見ると、経済的に豊かな国が上位に顔をそろえる。これは「オリンピック」でも言えることなどで、パラリンピックのみを責めるわけではないにしても、世界トップクラスのハイテク技術を持った日本などの先進国と、途上国の選手では置かれる状況が余りにも違う。途上国の選手たちは、日本で何十年も前に使用していたような、修理さえできないような車椅子で参加していることもあり、その時点で大きなハンデを抱えている。 --日本国内での(実際は不平等な)自由競争原理みたいなものだ。--

 もちろん、先進国選手が使っている義足や車いすは高価で、日本選手では車いすは最高で1500万円、義足は300万円もするという。こういう義足や車いすの問題は『第2のドーピング』として問題にもなっている。途上国の選手には、陸連などの国際組織が『援助』する体制を作るか、あまりに「科学」に頼る方法を規制するかのいずれかが必要だろう。下の写真は「日本企業が開発中の義手(左)」と『未来の義足?(ゲーム中に出てくるらしい)(右)』と科学技術の進歩は止まらない。
 開発進行中

                                  2016.9.17 産経ニュース
 リオデジャネイロ・パラリンピックで、中国選手団の金メダルラッシュが止まらない。16日現在で金94個を含む217個のメダルを獲得。金メダル数、メダル総数ともに4大会連続でトップとなることは確実だ。ただ、中国国内ではその活躍が伝えられることが少なく、五輪と異なる扱いをする国営メディアに批判が殺到している。

 急激な躍進の背景には、08年北京大会の開催が決まってから、共産党政権が威信をかけて着手した国を挙げた強化策がある。 中国障害者連合会の郭建模理事長(当時)が03年、中国メディアに語ったところでは、それまで中国の障害者スポーツは「体力や苦しい練習に頼る種目」に集中していた。小型車並みに高価な競技用車いすは使えず、郭氏は「経費不足が障害者スポーツの発展を妨げていた」と述懐していた。

 ある競泳コーチは「国が技術や用具、コーチや選手の育成に多くの資源を投じてくれた」と説明。国際パラリンピック委員会のクレーブン会長も、こうした中国方式を他の国・地域の「手本」と称賛する。

 もっとも、手厚い支援を受けられる障害者は選ばれた選手に限られている。中国メディアは「多くの障害者は社会の底辺で生活している。健常者から遠ざけられ、軽蔑されている。多くは道端や地下鉄駅で物乞いをして、同情にすがって生きている」と指摘する。 サッカー強化を“国家事業”に位置づける習近平政権にとって、パラリンピックは対外的な宣伝材料に過ぎない。中国の障害者を取り巻く環境は、郭氏が「地位向上」を訴えた13年前から変わっていない。               (部分引用終り)

 例によって最後に「中国の実情(?)を暴露」して「悦」に入っている産経だが、日本の現状とて、さして変わりはあるまい。毎年、大幅に福祉予算は切り捨てられている。すでに来年度「1700億円の切り捨て」が決まっている。他の予算も同様に『緊縮財政』ならともかく、海外のバラマキは言うに及ばず、経済政策でも『バラマキ型』であることに異論をはさむ方は少なかろう。「福祉・社会保障」という面に関してのみ、緊縮財政なのだ。



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