報道される写真は選ばれて使われる。キューバ訪問での記事に見る報道写真。「独善的主張」と受け取られかねない日本の主張

 安倍総理がキューバを訪問した。なぜ行くのか、合点のいかぬ外遊である。国連演説で「北朝鮮への厳しい制裁」の主導権を握りたい安倍総理と、厳しい制裁に反対するキューバなのだから、全く相いれない二カ国である。ニュースでも「(多くの国が賛成する中)北朝鮮への制裁にキューバなどが反対した」と伝えられている。総理官邸のHPに、次のような記事があり、写真が掲げられている。これが両国の最高のスナップなのだろう。

                                      首相官邸HPより
 平成28年9月22日(現地時間)、安倍総理は、キューバ共和国のハバナを訪問しました。
          握手する安倍総理
 総理は、フィデル・ カストロ前キューバ国家評議会議長との会談を行い、その後、日系人との懇談を行いました。
 さらに、献花式典に出席した後、ラウル・カストロ・キューバ国家評議会議長と歓迎式典に出席し、続いて、会談及び署名式を行いました。                        (引用終り)

 オバマ大統領が「突然、外交関係を修復」してしまったので、米中外交(ニクソンショックと言われた)同様、慌てて「後追い」をしたのか、とも考えてみたが、この記事を見て、中国に対抗して「日本の存在」をアピールするつもりだったのではないか、とも思える。それはそれで悪いことではない。

                                 2016年9月26日  朝日新聞
 中国の李克強首相が24日、キューバを訪問し、ラウル・カストロ国家評議会議長と会談した。安倍晋三首相が同国を訪問し帰国した翌日で、アジアの首脳訪問が相次いだ。中国からは、習近平国家主席が14年にキューバを訪問している。李首相の訪問は初めて。

 安倍総理、李克強首相のキューバ訪問のいずれも「外電」がニュースとして世界に流している。下にAFPとロイターの写真を並べてみよう。写真は1枚や2枚撮っているのではない。数百枚の中から、最も「そのニュース」にふさわしい写真が選ばれる。この2枚を見比べてどのように感じられるか。それこそが「日本が考えるべき問題」なのである。

日本の首相として初
                           写真はSukiyakiSongの日記さんより

 左がAFPが伝えた日本とキューバの会談、右がロイターが伝えた中国とキューバの会談のニュースを飾った写真である。この2社だけが「世界」であるはずもないのだが、国内で『外国人は日本にあこがれている』とか『世界の国々は日本を尊敬している』といういわゆる「クールジャパン的」な思い込みが広がっているのは『報道の力』によるものが大きい。それと同様、何度もこういう報道を見ていれば、日本に対する「世界の人々の認識」どのようになっていくかは想像に難くない。

 日本政府が海外に主に発信しているのは、『中国の横暴さ』や『韓国の慰安婦問題』なのだろうが、それをどう聞いてもらえるかは『日頃の姿勢』にかかっている。捕鯨も、象牙取引も今は国際的に関心が集まっており、その対応は「独善的」なものだ。日本には違法行為はない、だから「日本にだけは認めよ」と言うような主張が多い。
                                        環境省HPより
         象牙等はルールを守って取引しましょう!
 象牙についても、我が国ではこれまで、歴史的・文化的に、古くは根付、印籠、櫛、箸などの日常的な生活用品、近代では印鑑、和楽器などの原材料に利用されてきましたが、これらの象牙はアフリカ諸国等からの輸入によってもたらされてきました。.

 日本では、象牙等の国際取引を規制するワシントン条約の実効性を高めるために、1992年に「種の保存法」を制定し、その後の改正により、違法な象牙の国内取引を防止するための管理制度の創設を行い、その適切な運用に努めてきました。.

 今後もアフリカゾウの保全を図りつつ、その持続的な利用を可能とするために、合法的に輸入された象牙のみが国内で適正に取引され、それらが厳正に管理されることが重要です。一人一人がルールを守ることが、違法取引を防ぎ、アフリカゾウをはじめとする野生生物の保全につながります。.


 調査捕鯨に関しては『日本の報告書はねつ造』という指摘があったことは先日伝えたが、この象牙取引でもNPOの『おとり捜査』に日本の多くの業者が「書類を偽造することを条件」に応じたと報道されている。国内とは別世界で、「日本のダーティイメージ」が浸透している。日本の伝統工芸(アフリカゾウの牙が原料で…)とか、私の代でなくすわけにはいかぬとか、世界では理解できないような言い分を主張する。突然一部の人だけにしわ寄せして「生活の糧」を失わせるのは問題だろうが、不要なところに何兆円と言う税をつぎ込んでいる日本のこと、数年間の「事業支援」をするなどして、きっぱりした態度を世界に見せることが望ましいと思う。

 海外のメディアと内閣の関係も改善が急がれる。今のように「事前に質問を提出し、それに対し内閣が適する報道機関を指名し、答える」という方法をやめるべきだろう。このやり方に海外の報道機関は反発し、参加しないことが多いらしい。オープンな質疑応答ができる能力を内閣は持つ必要がある。好意的でない報道をされる一因になっている。

 オバマ大統領のキューバ訪問訪問を伝える2枚の写真がある。対照的なので見るとわかるが同じニュースを流すにしても、どの写真を使うかによって受ける印象はずいぶん違う。もちろん、報道する側はそのことを熟知している。左の写真を使った社は「楽観的見通し」、右の写真を使うと「悲観的」に見える。まあ、これは報道各社の感じ方の違いであって、こういう際はあって当然だが、ドイツサミットのように「多くの社が(人の陰に隠れて)安倍首相の写っていない会議風景」を載せているとなると問題である。『反日だから』で済む問題ではない。

【(3月22日 AFP】キューバ訪問中のバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は21日、首都ハバナ(Havana)でラウル・カストロ(Raul Castro)国家評議会議長と会談し、両国の違いは脇に置いて新たな関係を目指していくことで一致した。

 両首脳は、カストロ議長の兄フィデル・カストロ(Fidel Castro)前国家評議会議長が1959年のキューバ革命以降、共産主義国家の最高指導者として長年君臨した革命宮殿(Palace of the Revolution)で、2時間以上にわたって会談した。
気安く肩を叩くな!

 カストロ議長は、人権問題や米国による対キューバ経済制裁など「深い」溝が依然として存在するとの認識を示し、キューバが政治犯を拘束していると認めることは断固拒否した。一方で、2013年にキューバから米フロリダ(Florida)州までサメよけのおりを使わずに泳いで渡る偉業に5度目の挑戦で成功した米ベテラン遠泳者、ダイアナ・ニヤド(Diana Nyad)さんの例に言及し、「彼女にできるのなら我々にもできるはずだ」と述べた。

 これに対し、現職米大統領として88年ぶりにキューバを訪問したオバマ大統領は、冷戦(Cold War)時代に対立していた両国関係が「新たな日」を迎えたと、スペイン語で歓迎の意を表明。「キューバの運命は、米国やその他の国家によって定められるものではない」と述べ、過去に米国がキューバに対して行ってきた干渉政策からは距離を置く姿勢を示した。


 日本社会は「人種差別や優越意識」に鈍感である、と言われる。私も「こんな差別が…」などと言う記事を読みながら、ウッとなる場合がある。自省せねばいかん、と心に刻む。自分の行為がすべてにおいて満点だなどととても言えないが、『理想』としては差別の禁止を掲げておきたい。

Midori Fujisawaさんがこんなツイートを紹介している。こういう話が日本社会で普通に話されるそんな『社会』になればいいなぁとおもう。
                                       miura takahiro
中日スポーツ4面。3年前に生後間もない日本人の女の子を養子として迎え入れたスタンリッジのインタビュー記事。娘さんが大きくなって家族の中で自分だけ姿形が違うことに疑問を持ったらどう説明する?という記者の質問に対する返答が素晴らしい。

スタンリッチ
                           写真は当ブログで新聞紙面から作ったもの

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