沖縄での機動隊員『暴言』問題をあらぬ方向に誘導する「辛坊治郎」、こういう発言の責任を追求できる社会にしないと『日本』が自壊するだろう。

  ニュースキャスターである『辛坊次郎氏』は番組の中でこのように発言した。「機動隊員が暴言、沖縄市民に怒りの声」と副題を付けた番組中のコメントである。メインキャスターがこういうのだから、周りの人々も「ふーーん」「へぇーー」という反応をするのみである。

「私、月曜日見てきました。上から、ヘリコプターからね。
はっきり言って、ここで反対している人たちって沖縄県の地元の人は本当少ないですね。
もう、ほとんど大阪から行っている人とかで、地元の人たちもはっきり言ってヘリポート作って、
大半がそうすると日本に返還になりますから、
早く作って欲しいと言う人の方が圧倒的に多いですね、ここは。
で、まぁ、ここの反対派に関していうとちょっと問題があるよね、
なんで反対しているのか正直実際見に行くとわけわかんないですよ、これは。
要するになんだか基地返還を阻止したいんじゃないの、って感じが。
私なんか現地に行っての印象ですけどね。」    (書き起こし 当ブログ責)

 この発言だけ聞いても「疑問だらけ」である。上から、ヘリコプターから見て、「沖縄の人と、大阪から来た人の区別がつくのか」、そうでなくて実際に「現地取材」したのなら、なぜ「映像」で、『早くヘリポートを作ってほしい』と言う人々の様子を流さないのか。さらには、どの程度(何割とか)しか地元の人がいないのか、県民に反対派が少ないのならばなぜ「知事選」で敗れるのか、その具体的数字を挙げられないのか、そして結論めいたまとめとして『基地返還を阻止したい』とはどういう意味なのか、このニュース自体が反対派を批判したものになっている。

 こういう有江もしないことを前提として話を進めるのは『産経新聞』が良く使う手法であるが、「同じ穴の狢(むじな)」だから、仕方ないと言えばそうだが、公共の電波を預かるものとして、あまりにもと言えばあまりにもである。はっきりと一定方向(政権批判者を悪と決めつける)の意見を述べているのだが、その発言の責任を取らせる社会にならなければ、日本自体が『自壊』するだろう。

                                  2016年10月19日 朝日新聞
 沖縄県東村(ひがしそん)高江周辺で進むヘリパッド移設工事現場の周辺で、抗議活動をしている市民に警察の機動隊員が差別的な発言をしたとして、沖縄県警は19日、「極めて遺憾だ」と謝罪した。

 発言の様子を映した動画は、18日にインターネットの動画サイトに投稿された。フェンスをつかんで抗議していた市民らに、機動隊員が「どこつかんどるんじゃ、ぼけ、土人が」と発言する様子が映っている。

 沖縄では、沖縄戦時や本土復帰前、本土側が沖縄の人々を見下す言葉として「土人」を使っていたと認識されている。動画サイトには、機動隊員が市民を「シナ人」と呼ぶ様子を映した動画も投稿され、沖縄県警が調べている。                             (部分引用終り)

 機動隊が「土人」「シナ人」と差別的な言葉を言った、と今話題になっている沖縄のヘリポート反対運動の記事である。明治以降植民地ができると、「沖縄人は弐等国民」「朝鮮や台湾などの他の植民地原住民は参等国民」と言うように国民を区別(?)した。これを人種差別と言わないのか。差別する意識がなかったとか、区別であって差別ではないと言うような言い訳が世界で通用すると思っているのか…。

 沖縄現地では「先の大戦中」に日本から受けた『差別』が根強く語り継がれている。そういう話の1つとして、1903年の大阪博覧会の人類館の話がある。これも博覧会本体とは違い、民間の一業者がやったことで、『差別』と関係ない、などとしたり顔で言うものがいるが、本体と隣接した場所に一定規模の土地を使い、期間中だけ開催をするのに、政府が全く関与していなかったとは考えにくい。また、この年の博覧会以降も同様な展示が行われていくのであるから、慰安所は「民間業者の運営」などと言っても、世界の誰一人信用しないのとあまり変わりはない。

        1903年大阪・天王寺で内国勧業博覧会
1903年大阪・天王寺で内国勧業博覧会でその隣接する場所に、「学術人類館」なるパビリオンが出現した。館内では、「未開人」として「琉球人」「北海道のアイヌ」「台湾の生蕃」「朝鮮人」など生身の人間が「陳列」され、鞭を手にした説明人が「こやつは…」という侮蔑的な調子で解説したという。

                                2016年10月21日 沖縄タイムス
 大阪府警の機動隊員による「土人」発言が批判にさらされている。本土側の沖縄蔑視、差別はこれまでもたびたび繰り返されてきた。1903年には大阪で開かれた博覧会で、沖縄女性2人を「展示」した「人類館事件」があり、沖縄戦では日本兵による住民虐殺や「集団自決」(強制集団死)があった。戦後71年たった現在でも、在日米軍専用施設面積の約74%が集中する。識者は「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」と指摘している。

 1903年、大阪で開かれた第5回内国勧業博覧会の会場で「7種の土人」として、朝鮮人や台湾先住民、沖縄県民らが見せ物として「展示」される「人類館事件」が起きた。当時の沖縄では「沖縄人差別」として激しい非難と抗議が起きた。

 事件から100年後の2003年に大阪で、事件をテーマにした戯曲「人類館」の公演を手掛けた、関西沖縄文庫主宰の金城馨さん=大阪府=(63)は「土人発言」について「特別な驚きはない。普段沖縄に対して思っていることが、表面化しただけ」と切り捨てた。「大阪府警では日常的に沖縄に対する差別があるのではないか。府警の責任を追及すべきだ」と語気を強めた。        (引用終り)

 明治政府は 「世界で唯一肌の色や人種の違いで差別してこなかった国」で、それが証拠に1919年パリ講和会議の席上「人種差別撤廃の提案」した、などと主張する者がいるが、日清戦争以来の日本の行状から見て世界各国が『額面通り』には受け取らなかっただろう。その提案のわずか10年少し前のこの博覧会での出来事だけをもってしても、それは分かる。(日本人が名誉白人になれればそれでよかった。)

 今の「ヘイトスピーチの許容」と同様、政府にそういう考えがなければ、こういう行為は取り締まられる。現状で考えると、『国連からの勧告』があっても、(あれだけ嫌っているのに)突然現憲法の『言論の自由』を盾に政府が容認するから起きているに過ぎない。以前の「日教組弾圧」とよく似ている。「日教組」が非合法組織ならともかく、合法組織であって、その労組が「全国大会」を行うのに、右翼の街宣車が集結して、開催場所を脅した。警察はこれらの騒動を黙認し、結果として、「日教組」の大会はできず、衰弱していった。安倍総理が国会中に「日教組」「日教組」と議員の質問も聞かずに不規則発言を繰り返した一時だけ見ても、それが自民党の根底の姿勢であることは明らかだろう。沖縄でのこの騒動も「右翼街宣車の集結」が行われているようだ。

 はっきり言って「言うことを聞かない沖縄人は必要ない」という自民党の本音が出ている。沖縄の問題は一体何なのか。ただ『アメリカ軍基地』を日本が無料で作ってやっているに過ぎない。国防の観点から作っているわけではない。政府の言い分通りなら「アメリカの要請」に基づいて作っている。現地の人に「黙れ、シナ人」と日本政府側の人間が発言するということは、「日本政府が沖縄は実は『中国』のものだと認識している証拠」に使われる恐れがある、とある方が述べていたが、こういう点への理解がほとんどない『日本の官僚』は全く無能である。

 日本のとるべき政策は「中国との関係を改善」し、その経済力を「日本のために利用」することである。残念ながら、「70を過ぎた老女で末期がんを患っているのに、私の魅力に負け、私をつけ狙う『ストーカー』がいる、と心配している」この状況から抜け出ることはないだろう。
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