【日本という国】  「南北首脳会談」が成功裏に終わったことを素直に認めない、喜べない社会を作ってしまった日本。外交問題解決には、「日本外し」が必要とささやかれ始める。中国からのメッセージを理解できない「日本会議脳」しか今の政府には存在しない。

 しかし、立派だったなぁ、今回の「南北首脳会談」。二人が「率直」に話し合っていることを世界に伝えた。最も国家の株を上げたのは当然韓国だろうが、北朝鮮も今までの伝聞による「闇に包まれた陰湿な国」というイメージを取り去ることができた。そういう意味では二国にとって「大成功」だろう。

 軍事境界線がある板門店。午前9時半前、事前の予定通りの時間に姿を現した金正恩(キム・ジョンウン)委員長は文在寅(ムン・ジェイン)大統領と軍事境界線を挟んで向かい合い、がっちりと握手した。
 「失った11年を取り戻し、前に進むためここに来た」と金正恩が言った。
 それに対し、「私が北側に行けるのはいつになるでしょうか?」と金正恩氏に文氏が語りかけると
 「それでは今、行きましょうか」と、金正恩氏が応じ、文氏の手をとって軍事境界線をまたいで北側に入り、がっちり両手で握手した。

 多くの海外メディアがこの場面を象徴的な場面として報じている。もちろん、日本のメディアは否定的なコメントを発するだろう『識者、評論家のみ』を呼んで、この会談が余り成功していないことのような印象操作に走っていた。

 韓国が停戦協定の当事者で無いので、今回の会談では非核化の道筋の明示や、朝鮮戦争の終結はできないことは何度も書いた。であれば、両国にとってほぼ満点といえる程度の合意ができたといえる。歓迎すべき会談と結果である。お互いが「敵対行為をやめる」という事は、「米韓軍事演習」を行わないということであり、それに反発した「核、ミサイル実験」を行わないということでもある。仮に、アメリカが北朝鮮を攻撃するにしても、韓国基地の使用は認めない、ということであり韓国軍の参戦も無い。拉致問題をことさら取り上げる日本は「仲人」が挨拶に行くのに「借金を返せ」とその席で言ってくれ、といっているようなもので、それは自分が行うべき問題だということがわかっていない。

   最も遠く居る

 日本を除いて「アメリカ」も「中国」も歓迎の意を表しいている。27日にトランプは「習主席」を我が良き友と述べ、その偉大な尽力を忘れてはならない、とも言っている。これで米朝首脳会談が「北京開催」なら、すべて見通しどおりなのだが、世界のほとんどが「シンガポール」だという。 いずれにしても、今回の北朝鮮の歩みよりは「中国の力なくしてあり得なかった」ことだけは確かだろう。

             Donald J. Trump‏
Please do not forget the great help that my good friend, President Xi of China, has given to the United States, particularly at the Border of North Korea. Without him it would have been a much longer, tougher, process!

                                   China Tips by myokoi‏
中国から北朝鮮への2018年3月の燃料輸出は、ディーゼル、ガソリン、燃料油の輸出は6カ月連続でゼロ。唯一、北朝鮮に輸出された石油製品は、ジェット燃料3トンと液化石油ガス55トン。トウモロコシ輸出は3カ月連続でゼロ。北朝鮮から中国への鉄鉱石、石炭、鉛の輸入も6カ月連続でゼロ。

 3月の統計も出た。北朝鮮の国営企業では労働者の仕事がなくなっていると報じられている。トランプ訪中後、中国は方針を切り替えた。「米朝会談をさせる」さもないと「朝鮮戦争が勃発する」、その危機感から『米朝事務方による会談』を、訪中時に行い、トランプ大統領と「北朝鮮が同意すれば首脳会談を行う、戦争終結を決断してもよい」という言質を取った。

 後一歩でミサイルも核も完成する段階であった北朝鮮にそれを思いとどまらせ--中国にとって、朝鮮戦争は静観するわけには行かないので、開戦は絶対に防ぎたかった--米国と直接交渉するように促した。ただ、この反応はよくなかった。何とか「完成」したい北側は回答の先延ばしを画策した。中朝の冷え込んだ間柄は、報道でご存知のとおりだ。すると中国は、とても同盟国とは思えない「経済制裁」を実施し始めた。これは北朝鮮側の誤算だったと思う。

 サード問題と冬季五輪への協力で「訪中」してきた韓国の文在寅に、「朝鮮戦争の終結への協力」を依頼した。これが「バッハ会長」らの協力でうまくいき、南北間和解の機運を生み、「米朝首脳会談」への道が開けた。この後、文在寅がトランプと「米韓首脳会談」を持つことは報じられている。その足で、「北京」へ飛べば、『米朝会談は成功する』ということになる。開催地も「北京」のはずだが…

                                2018年4月27日  AFP
中国は27日、この日会談に臨んだ韓国と北朝鮮の両首脳を称賛し、南北軍事境界線上での両首脳が握手したことを「歴史的瞬間」と評した。中国外務省の華春瑩報道官は定例記者会見で、「南北両首脳の歴史的な一歩に拍手を送るとともに、両氏の政治判断と勇気を評価する」と述べた。

 その上で「両首脳がこれを機に、朝鮮半島の長期的安定に向かう新たな旅路をさらに開いていく機会をつかんでくれることを、われわれは望み、期待する」と述べ、「荒波を渡り尽くせば兄弟あり、互いに会って笑えば恩讐(おんしゅう)も滅びる」との詩の一節を引用した。

2018年4月27日
  左 AFPの記事に使用された写真        右 日本政府と日本社会をリードする人々

                                     미 현(みひょん)
「度盡劫波兄弟在 相逢一笑泯恩讐」  これ 魯迅が日本人に送ったって言われてる漢詩やん
日本向けのメッセージが入ってたとして、いまの日本政府に読み取れる人間がいるとは思えない…


原文      《題三義》

 奔霆飛焰殲人子,敗井頹垣剩餓鳩。
 偶值大心離火宅,終遺高塔念瀛洲。
 精禽夢覺仍銜石,斗士誠堅共抗流。
 度盡劫波兄弟在,相逢一笑泯恩仇。

                                    yunishio‏ @yunishio
これね、どういう意味かというと、韓国と北朝鮮が和解できたのだから、日本と中国も和解できるはずだよ、っていう中国から日本に投げかけられたメッセージなのね。あちらさんは魯迅が西村真琴に贈った日中友好の詩であることは重々承知してるんだから。

中国は古典の大国なんだから、兄弟・朋友の交わりをたたえたセンテンスなんか山ほどあるわけ。それをわざわざ近い時代(古典は古いほど権威があるw)から選んで引用したのは、それが日中友好を表現したものだったからなのね。アドリブではなく、リサーチの末に出してきてる。


                                   Subic フィリピン‏
これは中国から日本へ向けた密やかなメッセージだろう。 中国の学問と歴史とを背景にした素晴らしい外交。残念なのはこの意図を読み取る教養と度量のある人が誰も今の日本政府に居ないこと。

 安倍内閣の周りにはほとんど同質の人々しか集まっていない。「独裁」が望ましい、と櫻井よしこが言うのだから、『独裁』にむけてイエスマンしか置いていないのだろう。この政権を変えるなら、「韓国」とも「中国」ともうまくいくようになるのだが、国民が両国と「仲良くしたくない」と思っているのだから、これは致し方ない。この「国民」あってこの「政府」あり、なのだ。これはどんな話であるか、少し引用しておこう。

                                   日中友好ネット 引用
 西村真琴(1883年~1956年)といえば東洋初のロボット学天則(大阪市立科学館にレプリカがある)を作ったことで有名です。 西村真琴の偉業はそれだけではありません。日本軍国主義による中国侵略戦争の猛威が吹き荒れるなか、軍部からの圧力をはねのけ中国戦災孤児をこの大阪に引き取って育て上げたのです。その数68名。

 こうした西村真琴の戦災救済活動を象徴するのが、1932年(昭和7年)2月戦乱で廃墟となった中国上海近郊の三義里街の一隅で傷ついた一羽の鳩を大阪豊中の自宅に連れ帰ったエピソードです。三義と名付けられた中国の鳩を日本の鳩とつがいに一つの鳩舎で家族同様に育てました。

日中友好ネット3
     西村真琴      魯迅の「三義塔に題す」の石碑        魯迅

 鳩の子供が生まれれば中国上海に送るつもりでした。ところが鳩の三義はイタチに襲われ死んでしまったのです。子鳩を上海に送ることはできなくなりました。西村真琴は鳩の三義の絵を描き「西東国こそ異へ子鳩等は親善あへり一つ巣箱に」(日中は戦乱のなかにあるけれどもこの子鳩たちを見てごらん。この巣箱の中には日中友好があるよ。)の歌を添え上海の魯迅に送りました。

 このとき魯迅は西村真琴の中国戦災孤児を保護するなどの戦災救済活動を知ったのではないでしょうか。感激した魯迅は1933年6月、七言律詩「三義塔に題す」の不朽の名詩を詠み西村真琴に贈ったのです。今現在、日中関係は国交正常化以来最悪の状態にあるといわれています。しかし、西村真琴と魯迅は今よりもはるかに厳しい日本軍国主義による中国侵略戦争の日中戦乱のさなか日中友好の偉業を成したといえます。

 鳩の三義が死んだ時、近在の人たちが野面石を持ち込み三義のために塚を営みました。現在、塚石には重光葵(終戦時日本全権大使として米戦艦ミズリー艦上降伏調印式に臨んだ外務大臣)の筆になる「三義塚」の文字が彫られ、魯迅の「三義塔に題す」の七言律詩の彫られた石碑(豊中市日中友好協会建立)と共に豊中市立中央公民館前にたたずみ戦乱と言う最悪状況でも日中友好のまことは変わることなく連綿と続くことを雄弁に語りかけています。                   (引用終り)

 北朝鮮国内でも、今回の会談が報じられた。それも、宣言の全文が公表されたという。過去の会談の失敗は、もう少し冷静に見る必要がある。北朝鮮が一方的に悪いのか、それとも「相手」が裏切られた、と感じることを西側がしたのではないのか、検証する必要がある。なにしろ、現在の日本社会を見ていると、「セクハラ」でもされたほうに責任がある、ような論調が平気で飛び回っている。当時のことも、そういう意味で見直す必要があろう。

                                2018年4月28日  AFP
北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は28日、同国の金正恩朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅大統領による南北首脳会談は、新時代の幕開けとなる「歴史的な会談」となったと報じた。

 KCNAは、今回の首脳会談は「国家的和解と統一、平和、繁栄に向けた新時代の幕開けとなる歴史的な会談」となったと述べ、両首脳が署名した「板門店(Panmunjom)宣言」の全文を掲載した。同宣言には、両首脳が「完全なる非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認した」とあり、KCNAはこの文言も併せて報じている。

North Koreas Rodong Sinmun 2

                              ヤス酒‏ @v6roX6olGbXq3Le
たまたま昨日、テレビで見たときは両首脳が水色のベンチで腰かけて話しているところで、そこに絶えず日本人の解説者が「会談の実効性」を述べているという調子。映じられた光景を汚したくて必死、というふうに見えた。自分の胸の内に押し寄せた感動と尊敬の念とは真逆で、すぐにテレビから離れたよ。

                                        James F.‏
朝鮮半島の問題は日本を外さないと絶対に解決するわけがない、というのは、ずっと言われていました。日本の人にとっては残念な事ですが一般に外交問題は日本が絡むとこじれて何も解決しないというのは外交常識でもある。これからも中国やロシアの問題で「日本ぬき」は一般的になると思います

                                 Kazumichi Yamamoto‏
まだ核問題のための六カ国協議がされていた時、”進展になんら貢献しないが進展しそうになると拉致問題を出してきて妨害する”と欧州の新聞記事に出ていたのを覚えているが、今回の合意の成功の理由の一つは日本を完全に外したことなのだろう、、、


歴史が大きく動いた。戦争の心配が少し遠のいた。この話が何とかうまくいくように…、そんな論調があふれると思いきや、「本当に履行するのか疑わしい」「何度も騙してきた経緯がある」「単なる時間稼ぎ」「援助を引き出そうとする策略」という論調であふれる日本社会。これだけの論調のところがあってもいいが、逆に全く賛同する論陣を張るところがあってもよいはずなのだが、肯定はしてみても、必ず後で汚す。そして、汚した印象を残していく。『終戦協定まで言ったら』、彼等はなんというのだろうか。ああそうか、「安倍内閣が圧力をかけ続けた結果、こうなった」と言うのだろう。

        また一つ、歴史が重なった。
     日本社会の有様を忠実に記録しておこう。


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