【日本という国】  カンヌ国際映画祭で是枝裕和監督が「パルムドール」を「万引き家族」で受賞。今の日本が語られているのだろうか。国の未来を託する教育は、大学も中学も「予算不足」で四苦八苦。軍事力ばかりを考える国に未来はあるのか。

 久しぶりで当たり前の意味で「日本」が主役のニュースが世界に発信された。カンヌ映画祭で最高賞「パルムドール」を是枝裕和監督が受賞したという。まあ、素直に喜びたい。日本はトンデモニュースばかりの発信基地であったのだから…

                                2018年5月20日  スポニチ
 フランス南部で開催されていた第71回カンヌ国際映画祭の授賞式が19日夜(日本時間20日未明)に行われ、コンペティション部門に日本から出品された是枝裕和監督(55)の長編14作目となる最新作「万引き家族」(6月8日公開)が最高賞「パルムドール」を受賞。
  「万引き家族」に最高賞 カンヌ国際映画祭
是枝裕和監督「日本は経済不況で階層間の両極化が進んだ。政府は貧困層を助ける代わりに失敗者として烙印を押し、貧困を個人の責任として処理している。映画の中の家族がその代表的な例だ」「残ったのは国粋主義だけだった。」

    

 「6月8日公開」なので、詳しい映画の内容はわからないが、10年前の事件を映画化した作品といわれる。「憧れの国日本」ではなく「現実の日本」を題材としているので、人によっては「反日(本会議)」と受け取るかもしれない。祖母が死亡しても死亡届を出さず、その年金を当てにして暮らす家族の物語だという。余りに現実的なテーマである。世界も「受け入れやすい」話題であろう。

 さて、中国にはまたドイツのメルケル首相が訪問するのだという。「韓国にも日本にも」立ち寄るまい。実に世界の流れが端的に表れている。中国情報として、もう1つ、私が「習近平は、独裁で権力を強めているというより国民の高い支持で権力が強化されている」と考える理由を記録しておこう。

 それは給与所得者の伸び(前回書いた)だけでなく、「高齢者の所得」が高い伸びを示していることにも現れている。2000年と比べて、都市部で3.24倍、農村部で4.62倍、医療保障は98%以上と大幅に伸びている。年金の引き上げなどで経済面でも満足感が増してきている現われだと思う。

                                China Tips by myokoi‏
ドイツのメルケル首相が5月24〜25日に中国を訪問する。習近平国家主席、李克強首相と会談するほか、深圳に立ち寄る予定

都市部・農村部の高齢者の所得も安定化傾向。14年、中国全土の都市の高齢者の平均所得は2万3930元、00年比3.24倍。毎年平均5.86%のペースで増加。農村の高齢者の平均所得は7621元、00年比4.62倍。毎年平均9.06%のペースで増加。農村の高齢者の所得の増加ペースは都市部を上回っている。

都市部・農村部の高齢者の幸福感が向上。高齢者の60.8%が幸福と感じ、2000年と比べて12.0ポイント上昇。高齢者の32.8%が健康状態は良いとし、00年に比べて5.5ポイント上昇。医療保障を得ている高齢者の割合も都市部98.9%、農村部98.6%と、06年と比べて24.8ポイント、53.9ポイント上昇。


 今のところ、敢えて外敵を作らなくても国内は統一できている。日本無視で充分政治的に支障はない。軍部への配慮で、日本が行った(中国から見たら)挑発行為に対し、同等の対処をすればすむ。それが「空母4隻であり、最近の尖閣諸島近辺の軍事力強化」である。(いずれも日本が先に軍事力強化を行っている。)

 実際は日本は軍事力に金を回す余裕などないはずである。「経済」を復活させねば、後五、六年で行き詰るといわれている。まずもって軍事費や、外交的な援助に金を回してしまうと、国民向けの予算が全く足らなくなる。大学教育が崩壊寸前であるという事は、もっと国の影響が強い「小中高の教育」は、これ以上にすさんでいるわけで、教育の崩壊は数十年先の日本の姿なのだから、日本がどういう道を歩くのかを暗示している。

                                2018年5月20日  朝日新聞
 大学教育の半分を支える存在となった非常勤教員。増加の背景には、授業のコマ数が多い語学や研究者の少ない分野などで大学側がその力に頼らざるを得ない事情がある。ただ、所属大学や別の本業がなく、非常勤職だけで生計を立てている教員は厳しい状況に置かれている。

 埼玉県在住の女性(59)は4大学で非常勤講師として英語を教える。平日は2~3コマの授業がびっしりと並ぶ。自宅から片道2時間かかる大学もあり、「帰宅するとすぐ翌日の授業の準備に追われる。自転車操業です」と話す。学生の力をつけるためには英作文を添削して返す授業をもっとしたいが、答案を見られる時間との兼ね合いで年3、4回が限界という。

 雇用はすべて単年度で、秋になると「来年は大丈夫だろうか」と、不安な気持ちで過ごしてきた。ただ、労働契約法の改正で、有期雇用で働く人は契約が更新されて通算5年を超えると4月以降、無期契約に転換できるようになった。女性は3校との契約が3月で通算5年となり、無期転換の手続きを順次進める。

 「ヒヤヒヤしなくてよくなるのはいいが、問題が解決したわけではない」と女性は言う。常勤教員との所得の格差は大きく、税金などが引かれた後の年収は300万円を割り込む。「休みが1日ほしいが、勤務を減らすと収入が足りない。今の生活を続けられるか不安です」
         (引用終り)

 低賃金しか払えない「大学予算」に問題があるのか、払わないのか、いずれかはわからぬが、今までは「日本の賃金は高すぎる」という声に押されていたのは事実だ。ところが、アジアの中でもそれほど高い賃金でなくなった現在でも、その水準を維持しようとし、労働者の犠牲の中で国家も大学も運営しようとしている。これで「残業代0」などという法律を作って、外国から労働者を呼び込もうとしても、観光立国がうまくいかないのと同様、その先にあるものは見えている。

                                 2018年5月15日  NHK
教育現場の人手不足が全国的な課題となる中、広島県内でも、35の公立小中学校などで教員が欠員状態にあることが、県教育委員会の調査でわかりました。県教育委員会は、授業への影響について調査することにしています。

   中学校 予算不足

公立の小中学校の教員は、国が学校ごとの児童や生徒の数に応じて毎年、定数を算出し、それをもとに各地の教育委員会が配置していますが、各地で人手不足が指摘されています。

こうした中、広島県教育委員会が、市の教育委員会が所管する広島市を除く、県内の公立小中学校などに聞き取り調査を行ったところ、35校で合わせて38人が欠員となっていることがわかりました。欠員はいずれも非正規の教員で、非常勤講師が12人、臨時採用の教員が26人となっています。

このうち、呉市の吉浦中学校では先月、必要な講師が確保できず、1年生と2年生の4クラス101人が国語と理科の授業が受けられなくなりました。
                        (引用終り)

 もうずいぶん前になるが、「学校の先生の給与だけでは、生活保護を受けないと暮らしていけない。」という記事を読んだことがある。正規職員以外の給与がどれだけ低いかを表すものだが、そんな生活を強いていて、まともな教育はできまい。当たり前の国になるためには、当たり前の予算が必要である。国会議員だけ高い給与をもらっていて良い訳がない。

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が、一般向けの五輪入場券の最高価格を開会式は28万8千円、競技では陸上の10万8千円だという。1ヶ月の給与がこれを下回っている人々のどれほど多いことか、税金を投入しての行事だろうに…

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