【日本という国】  汚染土の農業利用に疑問の声多数。日立が進めるイギリスの原発商談は「原潜の弾頭更新」が目的。ロンドンの真ん中で「今の福島を訴える人々」

 6月4日付の「リュウマの遺言」で 「障害者年金 1000人打ち切り」のニュースについて、これは「アドバルーン」であって、反対世論が少なければ、大幅に行われるだろう、と書いたが、福島原発の「除染土」も道路工事に使用などの「アドバルーン的使用」に反対が少なかったから、今度は農業使用と用途を拡大してきた。何のために多額の税金を投入して「除染」してきたのか、いやいや、初めからその気は無かったのかもしれない。と書いたが、多くの皆さんも「この余りにも」な対策に異議を唱えている。

 最近は「森友、加計問題」が全く収束しないことで、他の案件も「強行採決」以外では結論が出せないでいる。問題が山積している状態が続いている。本来なら、Aが解決してBに移っていくのだが、AもBも残ったままでCが噴出する。それも解決の兆しが無い…そんな状況なので、ここでも、「米朝和解」以外、突っ込んだ話題が提供できないでいる。

                                2017年6月6日  東京新聞
  東京電力福島第一原発の事故で出た汚染土を建設資材として再利用するための実証事業が、昨年十二月から福島県南相馬市の津波被災地で行われている。事故から六年たった今も、被災地にあふれ返る汚染土袋。これを減らすために環境省がひねり出した苦肉の策に思える。安全性に問題はないのか

                      (TBS NEWS23 18年3月9日オンエア)
現在、福島県内には放射線量を下げるための除染作業で削り取られた汚染土などの廃棄物フレコンバッグが実に1650万個もあります。そして、それらの袋は当面の措置として県内にある空き地などあわせて1100か所の仮の置き場に散らばって置かれているんです。今後、このフレコンバッグを現在、整備が進められている中間貯蔵施設と呼ばれる場所にまとめて運ぶ計画なのですが、この膨大な量の袋をどう運ぶのか。新たな課題として被災地にのしかかっているのです。

放射能汚染土の入ったフレコンバッグ

 今や福島の原発事故は無かったも同然のように扱われている。思い出したようにニュースに載るが一方では確実に風化し、その世間の動きを利用するように、例えば「線量計の観測中止(そして撤去)」が、下の写真のように進んでいる。一方では日立による「英国への原発輸出」が政府の支援の下で進んでいる。事故の場合はすべて日本政府(言い換えると国民)がそれを負担し保証する。3兆円もかけて『原発を建設』して、採算に合うのか、と疑問に感じるだろうが、単に発電所を建設するというわけではない。

  「測定停止中」の貼り紙のモニタリングポスト

                           2016年7月21日  Newsweek
イギリスの新首相に就任したテリーザ・メイは「核のボタン」を押す覚悟があるかどうかを問われて「ある」と答えた。そして英下院は賛成多数で高額な原潜の更新を決めた。安全保障のためというより、大国としての影響力を保持するためだ> 

 採決の結果は賛成472、反対117で、耐用期限が近づいていた原子力潜水艦の更新を承認。英政府は推定費用310億ポンド(410億ドル)~410億ポンド(540億ドル)をかけ、今後20年間で順次更新を進める。


 原潜搭載の核ミサイルの弾頭に使用する「プルトニウム」をどこで作るか、それが『原子力発電所』の必要性というわけだ。また、プルトニウム生産の機能のために価格が高いとも言われているが、軍事に詳しいわけではないので、その点はその方面の方に任せよう。

日立製作所はきょう、イギリスで進める原子力発電所の新設計画で、最終的な投資判断に向けた協議に移ることで、イギリス政府と基本合意したと発表しました。総額3兆円に上る総事業費のうち、2兆円程度をイギリス側が融資する方針です。今後は電力の買い取り価格など、重要な項目の協議を進める考えです。というニュースを単に発電だけの話で聞くのと、こういう事情を知って聞くのでは、あなたの気持ちも随分と違うだろうと思う。

 日本はいつでも『原子力発電所』を閉鎖してもよい程度に「プルトニウム」を保管している。何に使うのだ、と詰問されれば答え様も無いほど大量にだ。風力や太陽光の発電単価が原子力の半分程度まで落ちているのだが、テレビのニュース解説では10年前くらいのデーターで(風力、太陽光は)キロ当たり30円などといってごまかしている。なぜ、それほどまでに「原子力発電所」に固執するのかわからない。

 また、日本国民も大半は事故のことを忘れ去っている。日本で原子力発電所が話題になるのは「再稼動する地域」くらいなものだ。それも、周辺地域にはその判断へ影響を与えることができないので、それほど大きな運動とはならない。福島県産の農産物、魚介類ももうそれほどの抵抗はなくなっているのだろう。「7、8年先から影響が顕在化する」という主張は、事故当初からあったが、今までの公害病患者同様、社会から忘れ去られ、裁判の勝利は25年30年たってからでないと得られない。

 そういう意味で、福島の現状を海外で伝え、外圧として日本の政策に影響を与えるという取り組みは間違ってはいないだろう。今の日本社会ではいくら「フクシマーー」と叫んでも誰も耳を傾けまい。

                             2018/04/30  TABI LABO 
  ロンドンの中心で知ることになった「福島のいま」
地下鉄Bank駅から地上に出る。目前に広がるのは、銀行や証券取引所などが集まる世界屈指の金融センター「シティ・オブ・ロンドン」の街並みだ。そこから歩いて10分ほどのところに、今回の舞台「オールド・ビリングスゲート」はあった。

この場所で開かれたのは、化粧品ブランドLUSHが主催する「LUSH SUMMIT 2018」。メインステージでは、いくつかの講演やパネルディスカッションが行われたのだが、その中のひとつが『フクシマから7年:日本の原子力事情』をテーマとしたもの。

多くの市民を巻き込みながら土壌の放射線量を測定し、結果をHP「みんなのデータサイト」で公開する活動を行なっている。2年半をかけて採取したのは、なんと東日本3,400ヵ所の土。取り組みは、誰に強制されるわけでもなく、自らの意志によるものだ。

「国や自治体による測定は『空間線量』だけでその基準も曖昧。チェルノブイリでも、ちゃんと土壌の測定がなされています。私を含めて活動しているみんなが素人ですが、土壌を測ることは本当に基本だと思っています。確かに空間線量は目安にはなる。でも、風や雨の影響で結果は大きく変わります。とにかく私たちは土壌の汚染を把握したい。だから自分たちでやるしかないんです」

「汚染された土が入れられたフレコンバッグというものが、街のいたるところに置かれている状況です。その数、1000万以上。ひとつあたり1トンの汚染土壌が入っていると言われていて、線量計を近づけるとものすごく高い数値を示します。フレコンバッグは、子どもが遊んでいる公園のすぐ裏にも置かれていたりする。これが福島の日常なんです。本当の意味で汚染を取り除くことはできないので、そうやってどこかに集めるしか方法はないのかもしれませんが……。とても根深く、解決まで相当な時間がかかる問題です」

日本に住んでいてもなかなか耳にしないリアルな情報を、遠く離れたロンドンで知ることになった状況に違和感を覚えつつ尋ねてみた。
放射能汚染土の入ったフレコンバッグ2

「正直言って、一連の問題は日本ではすでに忘れ去られてしまっていると思います。放射線量は測らなければ分からないし、情報に触れさえしなければ問題があるかどうかも分からない。見ようとしなければ見なくて済むんです。そうしたことが、汚染がある福島県内でも起きつつあります。つまり、『発信したところでいちいち聞いてくれない』『もうこの問題を考えたくない』と。情報が飽和しすぎたのかもしれません。

でも、世界にはまだまだ情報が伝わっていない。国内のことだとあまり興味がなくても、海外のことであれば『へえ、そうなんだ』と思うことってありますよね?外へ向けて一生懸命伝えていくなかで、結果的に日本の人たちにも知ってもらえたらいいなと思っています」

僕はここで反原発を声高に叫びたいわけではないし、こうすべきだと主張を述べられるほどの知見も持ち合わせてはいない。ただこの日、ロンドンのど真ん中には、福島をはじめとする日本の原発問題を必死に伝えようとする人々がいた。

そのことは紛れもない事実だ。          (引用終り)
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