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【日本という国】  徴用工訴訟判決に対して「100%韓国が悪い」という印象を国民に植え付けることは決してよいことではない。わが国の論法の弱点をもう一度見つめなおす必要がある。

 今の政府は「灯油一缶」の値段を聞いて答えられるものはいないだろう。多分1800円を超えるのではないか。昔の3倍である。寒冷地にお住まいの方は大変だろう。生活保護家庭や貧困層は布団に包まり、じいっとしているしかない世の中になってしまった。

 昔なら「北海道生協と元売との値決め交渉」がテレビのニュースを賑わせていたのだが、今はそんなことは無い。「徴用工」と「スポーツ」ニュースで終わりだ。ガソリンがこんなに高騰しても文句一つも出ない、とても素晴らしい社会を実現した。『美しい国』、とはこんな国をいうのだ。

                                  2018.11.01 高知新聞
 燃料高騰を理由に運航休止している高知県の宿毛フェリー(本社=宿毛市片島)について宿毛市は10月31日、操船に関わる海上社員15人全員が解雇されたと宿毛市議会議員協議会で報告した。航路存続の意向確認のため、県外にいる同社役員に面談を申し入れているものの、返答がないことも明らかにした。...

 さて、徴用工訴訟において韓国が一方的に悪いという世論作りに政府は成功した。このニュースを流した際に「異論」を紹介した報道は皆無であった。昨日、今日独立した国ならともかく、長年国際社会と付き合い、生産の多くを輸出する韓国が全く勝ち目の無い、不条理な判決を、それも最高裁が出すと思っているのだろうか。

Everyone says I love you さんが29日、判決の前に書いたこんな記事がある。


                             Everyone says I love you !引用
2018年10月30日、韓国徴用工訴訟最高裁判決。河野太郎外相の予想に反して、日本企業は当然負ける。
 日本企業は当然負ける

 大日本帝国はなんと36年もの間、朝鮮半島を植民地にして朝鮮総督府を置き支配していました。

 その日本の植民地時代に徴用工として強制労働をさせられたとして、韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審の判決が明日2018年10月30日、韓国最高裁で言い渡されます。

 この判決を前に、河野太郎外相は10月29日、「請求権の話は終わった話だ」 新日鉄住金が敗訴する可能性について「そんなことが起きるとは毛頭思っていない」と繰り返し否定し、「『未来志向でやろうよ』ということを韓国側もきちんと国内でやっていただきたい」と話したんだそうです。

 そもそも、韓国も三権分立ですから、韓国政府と日本政府が「慰安婦」問題で合意したことに、韓国の裁判所が拘束されるわけもないことが全然わかっていません(「慰安婦」問題と徴用工問題が全く別なのもわかってない 笑)。

 河野外相が言いたいのは、日本政府が戦後補償裁判で繰り返し主張している「個人請求権問題は1965(昭和40)年の日韓請求権協定で解決済み」と言う話です。

 しかし、権利義務の主体として、個人と国は全く別人格です。ですから、個人の請求権を国が放棄することはできません

 日本の裁判所は日本政府に忖度して、戦後補償裁判でもこの理屈を採用することが多いのですが、韓国の最高裁がこの期に及んで、日韓政府の合意で韓国政府が韓国人の損害賠償請求権を放棄した、などという無理筋の理屈を採用するとは思えません

 事実、韓国最高裁は「植民地支配に直結した不法行為による損害賠償請求権を協定の適用対象と見るのは困難だ」「個人請求権は消滅していない」との初判断を示して、原告敗訴の2審判決を破棄し高裁に差し戻したわけです。

 法理論上も、経緯からしても、河野外相の予想は無茶だと思います。 明日の判決後のコメントが楽しみです(笑)。


 このように日本の主張に弱点(国が持つ請求権は放棄できても、その権利すらない個人の請求権を勝手に国が放棄できるのかという問題)があることをはっきり示すことも「報道」の一つの役割である。『金は払った』『応募してきた』などという慰安婦問題さながらの認識で答弁する「安倍総理の歴史認識」が国際社会で通用するかどうかだ。国内では信じ込ませることができても、あらゆる角度から検討する国際的な議論の中で、いつまで持ちこたえられるのか、疑問である。

                               2018年10月30日 NHK
河野外務大臣は、30日午後4時すぎ、韓国のイ・スフン(李洙勲)駐日大使を外務省に呼びました。
そして、河野大臣は「判決は、請求権の問題を完全かつ最終的に終わらせている日韓請求権協定に明らかに違反しているばかりか、日本企業に不当な不利益を負わせ、1965年の国交正常化以来築いてきた両国の友好関係の法的基盤を根本から覆すものだ。法の支配が貫徹されている国際社会の常識では、考えられない」と強く批判しました。

                               2018年10月30日 NHK
太平洋戦争中に「徴用工として日本で強制的に働かされた」と主張する韓国人4人が、新日鉄住金に損害賠償を求めた裁判で、韓国の最高裁判所が30日、賠償を命じる判決を言い渡したのを受けて、安倍総理大臣は、衆議院本会議の代表質問で、「1965年の日韓請求権協定によって完全かつ最終的に解決している。この判決は、国際法に照らしてありえない判断だ。日本政府としては毅然(きぜん)として対応していく」と述べました。

 サンフランシスコ市の「姉妹都市解消」を予告までして迫った慰安婦像設置問題で、日本に味方する風は吹かなかった。サンフランシスコは『反日だから』と心で納得する以外に無かった。それと同様の事態が起きないように考えて行動するのが、あるべき日本の姿だろう。今のまま突き進むと、これの二の舞になる。給与から様々な名目での控除があり、わずかな手取り収入に対して「強制預金」させ、払い出しを禁止した。いろいろホックリ返されるより、民間企業への民事訴訟ということで、韓国政府の対応をしばらく様子を見るのだ正しい。その前に決定的な色づけは、禍根を残すことになる。

                                          有村悠
この「カネ払ってただろ」という物言いは従軍慰安婦問題でもよく見かける。これも「給与も支払われている」と表現することは可能。ていうかタダ働きでなきゃ問題ないとでも言いたいのだろうか和田議員。どんなクソ労働でもたいていカネは出る。それが少なすぎたり、なんやかや理由つけて天引きされまくったり、出自によって待遇に差をつけられていたりするから問題なのだ

「山口県下冲宇部炭鉱労務者九百六十七人」
「一人平均月七十六円二十六銭の内稼動先の諸支出月平均六十二円五十八銭を控除し残額十三円六十八銭が毎月一人当りの純収入」
「内地に於ける稼先地元の貯蓄目標達成と逃亡防止策としての貯金の半強制的実施及払出の事実上の禁止」


俺は国粋主義者1

 最近では「政府より」の意見ばかりが目立ち「第三者的」にアドバイスするものは少ない。その辺を皆さんは次のようにコメントしている。

                                    Holms @Holms6
今朝のサンモニはひどかった。韓国大法院判決について元外務官僚藪中三十二を中心に安部政権擁護一色。日本の外務省が「日韓請求権協定は、個人の請求権そのものを消滅させたものではない」と国会で何度も明言していることには触れず。元外務官僚藪中三十二が知らない筈はないのだ。
                              もみじまん @Futokaikosaiban
 徴用工訴訟、韓国が一方的に悪いという論調。通り一遍の解説。松原耕二さんだけが冷戦後、個人の権利をどう考えるのか、という視点を持っておいた方がいい、とちょびっと抵抗。三権分立の話題なし。
                                  かまやん @kama_yam
徴用工問題確定判決について。すべての全国紙が政府の見解にほぼ等しい主張を展開している。異様な状況が続いている。この負のナショナリズムは、空気のように国民の思考を型にはめる。
                                   ゆーすけ @yoox5135
友人が急に「韓国なんか嫌いだ、あんな国と付き合うのはやめた方がいい」と言い出してショックを受けた。僕がどのようなことをよく知りヘイトなことは一切言わない友人だったのに。徴用工判決に絡めて韓国への反感を煽るワイドショーを見てのことらしい。説明して理解はしてくれたがショックが収まらん


                           2018.11.1   zakzak(産経新聞)
 安倍晋三首相は1日午前の衆院予算委員会で、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた10月30日の判決に関し、原告となった元工員4人について、「政府としては『徴用工』という表現ではなく、『旧朝鮮半島出身の労働者』と言っている。4人はいずれも『募集』に応じたものだ」と指摘した。

 国家総動員法に基づく朝鮮半島での戦時労働動員には、(1)1939~41年に民間企業が朝鮮に渡り、実施した「募集」(2)42~44年9月まで朝鮮総督府が各市・郡などに動員数を割り当て、行政の責任で民間企業に引き渡した「官斡旋(あっせん)」(3)39年制定の国民徴用令に基づき、44年9月~45年3月ごろまで発動した「徴用」の3つの形式があった。当然、賃金は支払われていた。

 日本政府は、「原告は徴用工ではない」と認識しているようだ。 今後の日本政府の対応については、「あり得ない(韓国最高裁の)判決で、国際裁判も含め、あらゆる選択肢を視野に入れ、毅然(きぜん)と対応する。日韓の間の困難な諸課題をマネージするには韓国側の尽力も不可欠で、判決への韓国政府の前向きな対応を強く期待する」と述べた。


 この問題がこれほど大きくなるのは「八紘一宇」「大東亜共栄圏」などという言葉が飛び交うわが国の国情の変化が大きい。「韓国併合は相手が望んだから行った。」「創氏改名は朝鮮人の希望で行った」などという、日本の国益になる(?)なら何をしても良いような風潮の元で、フェイクニュースも真実もごった煮の状態で、著名人さえその風潮に乗る時代の産物である。

                        誰かの妄想・はてなブログ版 引用
日本政府は韓国併合や強制連行について合法であると主張し、その不法性を認めていないわけで、そうである以上、1965年の請求権協定の対象に“不法行為に対する賠償”が含まれているわけがない、という当然の理屈ですね。

請求権協定で対象となったのは、「日韓両国間の財政的・民事的な債権債務関係」だけであって、日本政府による不法行為に対する賠償請求権は対象として含まれていないと解釈するのは、日本政府が1965年当時に強制連行の不法性を認めていなかった以上、当たり前の話です。

そして、現在に至ってもなお日本政府は、その見解を改めず、日本最高裁は「旧三菱が徴用の実行において日本国とともに国民徴用令の定めに反した違法な行為を行ったこと,安全配慮義務に反し原爆投下後Xらを放置しXらの帰郷に協助しなかったこと,Xらに支払うべき賃金や預金・積金の積立額を支払わなかったこと等」以外の、そもそも強制連行が不法であったことに対する賠償を認めていないわけです。

それらを踏まえれば、強制連行そのものの不法性に対する賠償請求権は、そもそもが1965年の請求権協定の対象外であったという解釈は当然という他なく、強制連行を不法とする前提に立つ韓国側において今回のような大法院判決が下ることは、あまりにも当たり前すぎて意外でも何でもありませんでした。

だからこそ朴槿恵政権は、必死に日本に不利な判決が出ないように引き延ばしを図っていたのでしょうが、安倍を戴く日本社会には朴槿恵の“配慮”に気づくだけの冷静さが失われていたので無意味になってしまったというわけで、


     まあ、自業自得ですねぇという感想。
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