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【戦争にひた走る国】  G20は失敗しなくてよかった、レベルの成功。注目は『米中首脳会談』というお粗末。突然湧きあがった「米朝会談」の伝え方がおかしい日本のマスコミ。それにしても「日ロ首脳会談」へ批判が出ないのは理解できない。

 大阪でG20が開かれた。これについて日本のマスコミは「大成功で、さらに安倍総理の国際的地位が高まった」と評価する報道を垂れ流している。一方、海外の報道機関では「G20の役割は終わった。何も決められない会議になってしまった。」と評価している。このヅレは何だろう。まあ、産経新聞のような報道もあってもよいが、海外の論調のような報道もあってしかるべきだろう。それがまったく同一とは…。戦前並みのマスコミである。

トランプも習近平も憮然としている
自分を目立たせたいばかりにこの席の設定をした、トランプも習近平も憮然としてそう思っている。「米中首脳会談」は安倍首相が゛設定したものではないが、日本国内ではさもそうであるかのような報道が多い。

 トランプ、習近平の両氏とも、長机に三人が座るなど、人生初めての体験だろう。もちろん、会場がなかったわけではない。下の写真は北京でのG20と日本のでのG20の会場の写真である。北京に比べると小さいことは歴然としているが、ここでやったのでは目立たないと判断したのだろう。二人とも、安倍総理の会見中ほとんど笑顔がなかった。ダシに使われたとの思いが強かったに違いない。安倍外交と称するものは、この色合いが強い。相手を考えない、独りよがり、下心がある、そういう傾向がある。この「しっぺ返し」を日本国民は心配しない。

←中国のG20
    中国でのG20会場、日本でのG20会場。圧倒的に小さいが長机よりマシ。

 この大阪が注目を集めたのは「米中首脳会談」のみであって、これはG20の外で行われたものだった。別の場所で行ってもよかったが、せっかくG20で同じ場所にいるのだから、ここにしただけである。成果はないが無事に終わってよかった、というのがG20の本来の見方だろう。ここでトランプはファーウェイへの制裁を見送り、第4弾の「関税引き上げ」を見送って、中国の「面子をつぶさず」に今後の交渉にゆだねた。
                                  Kan Kimura‏
改めて驚いているのだけど、一昨日から昨日までのトランプの韓国訪問自身が、G20中のトランプのツイートからはじまったものだと思っている人がいるんですね。んなわけないじゃん。訪韓はずいぶん前から決まっていて、その為の交渉は着々と行われていたんですよ。

 前回、日本では大きく報じられないとして「トランプ大統領の韓国国賓訪問」を書いたわけだが、「せっかく韓国まで来たのなら、金委員長と会おう。」とトランプ大統領が言い出し、アッという間に大ニュースとして世界を駆け巡った。この話が実現したことは皆さん承知であるだろうが、前日にSNSでツイートし、その日の午後「金委員長」がこれを知り、翌日、国家の指導部が全員そろって、米朝会談が行われた、などということはまともには信じられない。たとえば「何時何分に両首脳が一人で国境線に向かう」などというシナリオをどう描いていったのか、考えればわかるだろう。そんなことを言うと「文在寅」をほめることになるから、報道されない。

下の写真なんかも、ほとんど報道されていまい。トランプ大統領の前で、二人はハグし、トランプ大統領を中心にお互いに話し合いながら階段を下りてきている。だれがどのように設定したか、明らかではないが、日本で伝えられているように「文政権」がトランプ大統領から軽く見られているという見方には疑問が残る。

トランプ大統領も見守っていた3
   トランプ大統領の「訪韓」を勝ち取った文在寅政権の努力の結果だろう。

 北朝鮮に対して常識的では考えられないほど強い制裁をかけることは、現政権の支持率アップにつながる。まだ1年前であるが、日本国民は「忘れてしまっている」。北朝鮮との国交断絶を世界に呼び掛けたのである。当時、文在寅が「南北対話」を模索し、アメリカも非公式に「無条件での対話」を考えていた。そんな世界の流れとは裏腹に。

 ほとんど絶交状態であり「あさりの輸入禁止」までしている北朝鮮への新たな制裁の手段を持たない日本としては、「朝鮮学校への補助金の打ち切り」、「北朝鮮への修学旅行生のお土産の没収」など「陰湿」とも取れる制裁強化を続けている。それらを何も考慮せずに今年になって安倍政権は「無条件での日朝首脳会談」を呼びかけ始めた。当たり前の国なら、こんな提案に乗るはずがない。北朝鮮問題は、この政権では解決しない。やりすぎだった。過去を忘れることなど「日本社会」以外では、そう簡単にはできない。アメリカ以上に「北朝鮮」とは疎遠な関係が続くだろう。

「北朝鮮と国交断絶」を呼びかけた河野太郎外相

 今回の米朝会談が、トランプ大統領主導で行われたことは間違いないが、それができるように「おぜん立て」したのは韓国だろう。タナボタではあっても、韓国としては「大きな果実」を得たといえる。今まで、米朝二国間の問題であったが、韓国も「当事者」として加われることになれば大きな収穫である。

 それに反し、安倍政権の韓国外しは徹底している。後先を考えない「支持者向け」のこういう政策は、深い後悔を生むだけである。しかし、これで支持率アップは間違いない。ワイドショーと同じ「韓国や中国の醜態をさらすこと」で溜飲を下げる多くの国民がいる。

                             2019/06/30 読売新聞
 安倍首相はG20大阪サミットに合わせ、17か国・地域の首脳らと会談したり、事前調整して立ち話したりしたが、韓国の文在寅ムンジェイン大統領とは行わなかった。韓国人元徴用工訴訟をめぐる日韓関係の悪化が際立つ結果となった。同日夜の首脳夕食会でも、文氏に自分とは別のテーブルを割り当てた。偶発的な立ち話もなかったとみられる。徴用工訴訟問題を巡り、日韓請求権・経済協力協定に反する状態を放任している韓国に対し、首相の厳しい認識を示す狙いがあるとみられる。
                             2019/07/01 産経新聞
 経済産業省は1日午前、軍事転用が容易とされる「リスト規制品」の韓国への輸出管理体制を見直し、テレビやスマートフォンの有機ELディスプレー部分に使われるフッ化ポリイミド、半導体の製造過程で不可欠なレジストとエッチングガス(高純度フッ化水素)の計3品目について、4日から個別の出荷ごとに国の許可申請を求める方針を正式発表した。韓国に対してはこれまで、安全保障上の友好国への優遇措置として手続きを免除していた。いわゆる徴用工問題で事態の進展が見通せないことから、事実上の対抗措置に踏み切った。

 まあ、これで5%くらいの支持率アップが可能だろう。無法な韓国を制裁することに対して「世界は理解」すると思っている。「慰安婦」にしても「徴用工」にしてもだ。ただし、それは日本社会で信じられていることが真実ならばの話だ。

 これで韓国と「経済戦争」をするわけだが、韓国が困惑するのは3か月程度だろう。なんとか代替えできる国や、中国のように自国生産にかじを切るかもしれない。「有機EL」にしても、スマフォにしても、もう韓国に世界シェアの大半を握られている。高品位のフッ化ポリイミドなどは日本しか作れない、と言ってそこに胡坐をかき、制裁道具に使っても、それは日本から買うほうが安かったり、新たな投資が必要でなかったりするからであって、決して韓国で作れない、中国で作れないということではない。過去に集積回路で十分学んだはずだ。今度はその分野さえも他国にナンバーワンの座を譲る結果になるだろう。

                              産経新聞  2018.11.28
安倍晋三首相は20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の際に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談を行わない方向だ。文政権が対日関係で「過去志向」に走る中、会談を開く環境にはないとの判断があるようだ。 首相と文氏は、今月中旬に行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)や東アジアサミットなどの場でも一緒だったが、会談は行われなかった。

しかし韓国では、10月に超党派の国会議員が竹島(島根県隠岐の島町)に上陸し、労働者問題をめぐる訴訟で韓国最高裁が日本企業に賠償を命じる確定判決を出した。日本政府は日韓請求権協定に明らかに反する判決だとして適切な措置を求めたが、韓国政府はまだ対応を示せていない。

 11月には韓国政府が慰安婦問題をめぐる2015(平成27)年末の日韓合意に基づく「和解・癒やし財団」の解散を発表。河野太郎外相は「日韓合意に照らして問題で、到底受け入れられない」と反発した。 ソウルの日本大使館前などに慰安婦像を設置していることも容認したままだ。外国公館前での侮辱行為を禁じたウィーン条約に反する行為であり、日韓合意で慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」をうたったにもかかわらず撤去の動きはない。 日韓両政府が調整した文氏の年内の訪日機運は完全にしぼんだ。政府高官は「韓国に『未来志向』の定義を聞いてみたい」とあきれた様子で語った。


 上の「産経新聞」の記事からもわかるように、安倍政権は「文政権」と徹底してそりが合わない。嫌いは嫌いで仕方ないが、問題はマスコミの伝える「文政権の世界的地位」である。どの国も「全く信用できない、困った政権」と考えているかのように伝えるが、うまくいっていないのは『対中国』だけで、あとは良好とみなしてよい。逆に安倍政権は「ナショナリスト(国粋主義者)」との見方が強く、一歩離れて付き合っているといえる。再デビューの時に「ナショナリストと呼びたければ、どうぞそう呼んでください。」などと自分で発言してしまったことが原因である。

 しかし、G20の報道を見ていて、ロシアのプーチン大統領との会見があったにもかかわらず、だれも「北方領土はどうした」ともいわなければ、「平和条約はどうした」とも言わない。今年の『年頭記者会見』から引用しておくが、その後の話では「G20」が仕上げの場所であったはずだ。ここで「華々しい成果」を披露する予定であった。外交だから、こちらの都合だけでは進むわけではないが、「こちらの見方」一辺倒の政府とマスコミでは、本当の世界を見るためには「自分の眼力」を鍛える以外にない。

                        安倍内閣総理大臣年頭記者会見
そして、ロシアとは北方領土問題を解決して、平和条約を締結する。戦後70年以上残されてきたこの課題に、次の世代に先送りすることなく、必ずや終止符を打つとの強い決意を昨年、シンガポールの地でプーチン大統領と共有しました。事情が許せば、今月下旬に私がロシアを訪問し、平和条約交渉を前進させる考えであります。
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