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大阪府知事「イソジンでコロナに打ち勝つ」は世界はどう見たか。Reutersが皮肉る日本の「民度」。世界でもまれな日本の「PCR検査否定理論」。さすが「未開の地」だけはある。

 昨日の「大阪府知事」の発言について、今日のテレビなどではいくらか批判的に報道している。それでも海外に比べると腰が引けている。おかしいことはおかしいとはっきり言え。この混乱の時、政府がどういう対応をするのか、批判者である「野党」の質問に答えることで、はっきりする。自分たちの都合の良いことだけを、都合よく言うだけでは「本当の姿」を理解することはできない。

日テレニュース24 2020/8/5
新型コロナウイルスの感染者数が増加するなか日本医師会の中川会長は、お盆休みを前に帰省先の医療提供体制を確認するなど慎重な行動を呼びかけました。中川会長は会見で「感染者数は減少する気配はなく増加する一方だ」と危機感をあらわにし、お盆休みを前に慎重な行動を呼びかけました。また、飲食店の休業要請などについては「要請や指示だけではなく一定の強制力のある命令にすべき」と述べました。

一方、大阪府知事が4日に発言したうがい薬の効果については、「現時点はエビデンスが不足している。国民はあわてて行動しないように」と述べ、今後検証する考えを示しました。


なすこ
図は「なすこさん」のツイートから

 まず、今のようなぐずぐずの日本になってしまった原因の大きな部分に、「マスコミの姿勢と能力」がある。マスコミにかかわるものが、もっと勉強をし、理論的に追及してこなかったから、ルール無視の政権がのさばっている。今は完全に違憲状態である。臨時国会を開かせろ。「野党の質問の対処で、政策が満足に実行できない」などという言い訳を垂れ流してはいけない。「政策」が正しいものなら、簡潔に質問に答えるだけで、野党の納得は得られるはずである。どう見ても、まともな政策とも、まともな実行行為とも思えないものが多い。政府に認められているのは「期間の決定」だけであり、開催するか否かを判断することは権限ではない。

James F.
マスメディアの低能さ(←言ってしまっている)が日本の世界への理解の限定要因になっているよね。日本のマスメディアくらい、質が低い、ひどい産業は珍しいかもしれない
so called meg
日本語の報道は、どんどん水準が低下してますね… バイデンの副大統領選びについて、この見出しで絶句…
この前のNHKもだけど、英語のできる人材を揃えた韓国のメディアだったら、絶対に犯さない間違いですね…

バイデンの副大統領選び

 トランプ大統領の再選の目はないと何か月か前に書いたが、日本のマスコミでは今だに「トランプ大統領の奥の手」で逆転勝利がありそうに報じる。以前は接戦だが現職有利のように報じていた。流れが変わったことが理解できていない。

 この見出しも「人種差別」そのものであり、それに輪をかけて「女性差別」になっている。『しかも黒人』と言った瞬間に、欧米ならその会社はつぶれる憂き目にあう。日本では、「人種」も「女性」も差別がないと(自分だけが)思っているから、こんな見出しが問題にならない。

WHO Kobe Centre
WHO Kobe Centre のTwitterから

 WHOがわざわざ上のようなアピールをしている。また、Reutersは次のような記事を上げている。この記事は日本のマスコミと違って府知事の言い分をそのまま伝えてはいない。トランプ大統領が「消毒薬を静脈注射…」というような話と共に伝えている。ロイターの立ち位置がわかる。報道とはそういうものでよいのだ。あとは読者の判断でよい。疑問点も出さずに、あたかも全部が正しいように報じれば、人々は薬局に出向くに決まっている。ロイターが言うように「(大阪府知事は)これでコロナに打ち勝てるかもしれない」というようなニュアンスで会見が行われたことは事実だろう。

AUGUST 5, 2020  Reuters
Gargling solution flies off Japan's shelves after governor touts anti-virus effect
知事がウイルスへの効果を宣伝した後、うがい薬は日本の薬局から消えてしまった

Japanese drugstores were stripped bare of gargling solution by Wednesday, a day after the governor of the western prefecture of Osaka suggested it could help fight coronavirus, triggering panicked buying reminiscent of the early days of mask shortages.

Hundreds of thousands of people posted pictures of emptied shelves on Twitter, accompanied by handwritten “Out of Stock” notices, as they canvassed suggestions on how to acquire the coveted antiseptic.

“Anyone else having trouble buying gargling medicine? I’m coming to four misses now,” wrote one user, @shotaro_1117, who posted images of four cleaned-out shelves.


On Tuesday, Osaka Governor Hirofumi Yoshimura said a study showed a smaller viral load in the saliva of 41 patients with mild symptoms after regular gargling with a medicine infused with povidone-iodine solution than in those who had not.
火曜日、吉村洋文大阪府知事は、ポビドンヨウ素溶液が入った薬で定期的にうがいすると、軽度の症状を持つ41人の患者の唾液中のよりウイルスが減少するという研究結果がでましたと言いました。

“Perhaps we can even overcome the coronavirus with gargling medicine,” he told a mid-afternoon news conference, speaking of the study on those convalescing in regional hotels which was released by an Osaka hospital.
おそらく、我々はうがい薬でコロナウイルスを克服することさえできるでしょう」と、彼は午後半ばの記者会見で、大阪の病院によって管理されているホテル療養で回復している人々に関する研究について話しました。

As the Japanese official spoke, shares of Meiji Holdings Co (2269.T), which sells a popular medicine previously marketed as Isojin, skyrocketed, gaining as much as 7.7% by late on Tuesday.
The shares were down 4% on Wednesday, but more than 1.2 million tweets had employed the hashtag #Isojin by afternoon.

As governments worldwide have struggled to rein in the virus, which has killed nearly 700,000 people and infected more than 18 million, some in authority have seized on any treatment seeming to offer a glimmer of hope.

世界中の政府が70万人近くの死者を出し、1800万人以上に感染したウイルスの対処に苦しんできたため、権力者の一部は希望の光を提供しているように見える治療にとびつきました。

For example, U.S. President Donald Trump has persistently promoted the unproven drug hydroxychloroquine as successful in treating the virus, and in April, he asked publicly if injecting disinfectant might help.

Japan’s top government spokesman, Yoshihide Suga, said he was aware of the Osaka governor’s comments, including the fact that researchers would try to determine if the ingredient could keep disease symptoms from worsening.

日本政府の菅義偉報道官は、病気の症状が悪化するのを防ぐことができるかどうかを研究者が判断しようとするという事実を含め、大阪州知事のコメントを認識していると述べた。

“The government will closely watch developments of the research,” Suga told a news conference.
菅氏は記者会見で「政府は研究の動向を注意深く見守る」と述べた。
Some experts were sceptical, however.
しかし、一部の専門家は懐疑的でした。

“I think these kinds of claims might even lead to a high number of false negatives for PCR tests,” pharmacist and medical writer Shuichi Aoshima wrote on Twitter, adding that tests after use of the germicide would register lower levels of the virus.
「この種の主張は、PCR検査に対して多くの偽陰性につながる可能性があると思う」と薬剤師で医療ライターのアオシマ修一氏はツイッターに書き込み、殺菌剤の使用後の検査はウイルスを実際より少なく見せると付け加えた。

“It’s the same as dripping povidone-iodine onto a virus sample.”
「そんなことをするとポビドンヨウ素液をウイルスサンプルに滴下するのと同じことです。」  (引用終り)

 テレビと全国紙を除けば、地方紙の中には「声」を上げるところも出てきた。今の政治をサッカーに例えるなら、ボールをもって逃げ回る、キーパーがキャッチしたボールを手でたたきおとしてゴールに入れる。それをマスコミが白熱した試合だとたたえているようなものだ。政府はルールに基づいて運営されねばならない。ルールとは「憲法」であり、それが気に入らないなら、「憲法を改正」してから、ボールを手に持って走るべきだろう。

北海道新聞  2020/8/5
 臨時国会を開かない、閉会中審査に出ない、記者会見しない―。新型コロナウイルスの感染再拡大が続く中、安倍晋三首相の発信力低下が際立っている。三つの「ない」には、野党や記者からコロナ対応などに関する追及を回避する思惑が透ける。

 「私もこうした形で節目節目に話をしているが、菅義偉官房長官も西村康稔経済再生担当相も毎日会見を行い、説明している」。首相は4日夕、官邸で記者団から臨時国会や記者会見を開くよう求められ、こう答えた。「それでも国民は不安だ」と指摘されても同様の説明を繰り返し、「逃げないでください」という声も飛んだが、答えずに官邸を後にした。


 3月以来、各局のコメンテーターはほとんど同じ人物がそれぞれの局に出ている。「新型肺炎は普通の風邪並みで、何ら恐れる必要はない」というコメンテーターもいれば、「PCR検査はむやみにやるべきでない」というコメンテーターもいる。データーも少なかったころの分析をいまだに引きずっているが、ここ数か月の世界各地で報告される研究結果を読んでいるのか、疑わしい人々も多い。今だに「アメリカ大統領選の行方」でトランプ当選の可能性を論じている番組がある。

死者も重症者も出さずに感染が広がっている現状は悪くはない

 PCR検査否定派の論客らしいが「死者も重症者も出さずに感染が広まることは良いこと」とか「PCR検査は流行を図るための定点観測、拡大すればこれまでのデーターが台無し」とか、日本以外の世界のどこの国でこれと共通の理論が主張されているのだろう。未開国「日本」以外、今頃こんなことが大々的に取り上げられている国はなかろう。NHKの経営委員「長谷川 三千子(埼玉大学名誉教授)」が主張する『基本的人権とは人を自由に殺す権利』と同様、世界中探しても二つとない「特異な主張」だろう。

共同通信 2020/8/5
 国内では5日、新たに1355人の新型コロナウイルス感染者が確認された。1日当たりの感染者は7月29日に初めて千人を超えた後、8月3日を除き千人を上回る日が続いており、拡大に歯止めがかからない状況だ。

 新規感染者は東京263人、大阪196人、愛知147人、福岡122人など。大阪は直近1週間はほぼ連日、200人前後の感染が確認されており、高止まりの傾向が鮮明。愛知県で100人を超えるのは9日連続で、大都市を抱える地域で多い傾向が続く。三重と滋賀、熊本では過去最多を更新した。死者は埼玉、千葉、神奈川、愛知、兵庫、熊本で1人ずつ報告され、累計で1042人


 「臨時ニュース」も「速報」も、余りにも日本ではレベルが低い。マスメディアの不勉強と能力の低さから「未開の地」とまで言われている日本。

それも「速報」で

西日本新聞  2020/8/5
熊本県内では5日、新たに42人の新型コロナウイルス感染が公表され、1日当たりの感染者数では2日連続で最多を更新した。同県人吉市で亡くなった50代男性会社員が新型コロナウイルスに感染していたことも判明。県内の感染者は累計321人になった。

 県によると、死亡した男性は、4日に感染が確認された義理の妹と7月中旬に大阪府で会食し、同22~26日に滋賀県の実家に帰省。26日に鹿児島空港から同僚1人と自宅へ戻る際、せきの症状があった。今月3日、体調不良で早退。翌4日は出勤せず、不審に思った同僚が自宅を訪問し、死亡している男性を発見した。5日、熊本県の検査で陽性が確認されたという。


 大きく報道されないが、こうやって症状が急変してなくなられる方もいる。「自己責任」が我が物顔に大手を振ってまかり通る。政府におもねり、生活を安定させる多くの識者が今日もテレビのコメンテーター席に座っている。下の表を「若者や軽症者が多い」とみるか、「重症患者予備軍が増えた」とみるか、麻生大臣ではないが「民度の違い」なのかもしれない。前週を上回る日々がずうっと続いている。

        東京コロナカレンダー8.5。新たに263人感染を確認。
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