一般人の年間被曝線量の基準が 1mSvなのか、20mSvなのか最近分からなくなった。見えない、感じない放射線であるから、なにしろ実感が伴わない。空虚な議論になってしまうことが多い。さらに、その影響が8年も、10年も先の話となると、手のつけようがない。
ところで、世界平均の自然放射線の量は2.4mSvというのだが、これがどの程度のものか、何か分からないだろうか、と探しているうちに、次のような記載を見つけた。
普通の地域は年2.4mSvで、それは体中の全ての細胞が一年に約一飛跡の放射線に当たる線量率となります。10mSvはその4倍位です。 私の「マンション理論」で考えてみると、1年に1発の銃弾がどこからともなく飛んでくる、ということになり、これに当たることは不幸以外の何者でもない、程度かもしれない。すると、原発作業員の年間50mSvは、1ヶ月に2発程度の銃弾が飛んでくると言うことだ。 (マンション理論 =私説= 詳しくは5/1のブログにて取り上げています。)
厚労省は今回、福島第一原発で作業した人に限り、年間50ミリシーベルトの被ばく限度を超えても他の原発での通常作業を認めることを決めた。ただし、5年間の上限を100ミリシーベルトとする規制は維持する。この規制とは別に、福島第一原発で緊急作業にあたっている人については、線量の積算の上限を250ミリシーベルトとしている。にしても、危険が「一般人に分かるように」迫ってくるわけではない。
なにしろ、長崎、広島の原爆ですら、全く放射能の影響はなかったと、国連に報告しているくらいなのだから、この福島の事故も「後遺症」など、考えも及ばないだろう。 (下の記事参照)
福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーを務める長崎大大学院医歯薬学総合研究科教授の山下俊一氏が4月5日、日本財団主催の緊急シンポジウム「福島原発事故~“誰にでもわかる”現状と今後~」で講演。いま環境中に放出されている放射性物質の健康影響について、「その線量は極めて微々たるもので、全く心配が要らない量だ」とし、随時モニタリングされ適切な対策がなされている現状では、「いまの日本人に放射性降下物の影響は起こり得ない」と断言した。
現在、世界保健機関(WHO)緊急被ばく医療協力研究センター長でもある山下氏は、1986年4月に起きた旧ソ連邦ウクライナ共和国のチェルノブイリ原子力発電所の事故後20年間、現地での医療支援活動や健康影響調査に携わってきた被曝医療の専門家。 (引用終り) もちるん、私のような考え方の人も、世界には居る。
(Proceeding National Academy of Science)によると、
これまで一貫して低線量被曝の危険性を訴えてきたジョン・ゴフマンは、「たった1個あるいは数個程度の放射線の飛跡でも、人間にがんを起こす」と主張してきた。
アルファ粒子は、陽子2個と中性子2個から成る このゴフマンの主張をはっきり証明し、またいままでの放射線影響の概念をくつがえすような現象がつぎつぎと明らかになってきている。
米国コロンビア大学のHei,T.K.らのグループは顕微鏡で位置合わせをしたうえで、ねらいを定めた細胞に望みの数のアルファ粒子を当てることができるマイクロビーム装置を使って、ハムスター卵巣細胞CHO-K1の中にヒト1番染色体を入れた細胞核にアルファ粒子を照射した。1個当たっただけで20%の細胞は死に、生き残った細胞にも変異が起こることを初めて証明した。
同グループは同じように細胞質にもアルファ粒子を照射し、細胞が変異することを明らかにした。
(Proceeding National Academy of Science,USA,96,4959-4964,1999)
細胞質に放射線が当たって死ぬ細胞は少ないので放射線の影響は変異として残り、細胞核に当たるよりもっと危険であるとも言える。
これまでは細胞の中に標的を想定して、ここに放射線という「弾丸」が命中することで細胞が死にいたるという考え方がされてきた。しかし、この「標的理論」はくつがえされ、照射された細胞の近くにある照射されていない細胞にも被曝の情報が伝わることが明らかになったのだ。
これらの現象は「バイスタンダー(Bystander)効果」と総称されるようになった。どのようにしてこんな現象が起こるのかというメカニズムや、なにを媒体としているのかはまだ解明されていない。
これら一連の結果は、放射線で遺伝子が直接傷つけられなくても、細胞に突然変異や発がんが起きる可能性があることを明らかにした。細胞と個体とは直接的には結びつかないにしても、線量が低いからがんにはならないなどとは、まったく言えないことを示している。
(引用終り) これまで、原子力発電所や再処理工場周辺でがんや白血病が発生したとき、「こんなに低い被曝線量ではがんや白血病は起こり得ない」と放射線被曝との因果関係を否定され続けてきたが、どんなに線量は低くてもがんや白血病を発生する可能性があるのだ。また、次のような研究者の意見もある。
『原子力資料情報室通信』第340号(2002.9.30)より引用 もうひとつ低線量放射線分科会で、強く印象に残った委員の発言がある。「かつて『アルファ粒子1個でも突然変異を起こす』という研究にもとづく報告をしたところ、原子力安全研究協会からクレームがついた」というのだ。
低線量の生体影響の研究でも、低線量被曝はむしろ健康にいいんだという
「放射線ホルミシス」のような研究は電力会社などからもてはやされ、新聞や雑誌などでも特集が組まれ大々的に宣伝されてきた。それに対し、危険性が高いことを示す研究に対しては、研究報告することにも圧力がかけられることもあるという実態が垣間見えた。
(引用終り) ホルミシスとはどのようなものか、良く分からぬが、
飯舘村を救え 西村眞悟さんのような考えであろう。反対の立場も紹介してないと、公正さを欠くことになる(?)。
以下引用 昨日四月三十日、東北の飯舘村にいた。そして、本日朝一番で堺に帰った。(中略)
よって、こういうときにこそ飯舘村に行きましょうという呼びかけに大喜びで賛同し、同村に入った。参加メンバーは、福井義高青山学院大学教授、稻恭宏医学博士、田母神俊雄前航空幕僚長ら九名。(中略)
そして、本集団の中心の稻博士は、病理学・免疫学の専門家で、そもそも低線量率放射線による治療の世界的パイオニアである。その稻博士は、
放射線のうち低線量率放射線は、人体に害を与えるどころか、病気の治療に用いれば劇的な効果を上げる、健康体の人は若返りますます健康になると、主張されている。
飯舘村の放射能は、稻博士の言われるかえって体によい低線率量放射線なのだ。そして、四月三十日、飯舘村に入った。私は、放射線防御学、放射線治療のことは知らない。しかし、稻博士は、そのパイオニアである。
従って、私は、稻博士の指示に従って、飯舘村のあの場所、この場所に立ち、深呼吸し、空気を吸い、低線量率放射線を浴びたのである。即ち、病人ではないが、一行は、稻博士による「低線量率放射線治療」を受けたのである。そして、暗くなってから飯舘村を離れた。

そして、その効果は、自覚できたのか。自覚できた。肩のこりがとれたようで、目がすっきりし、体が軽くなった。これが、低線量率放射線の効果かどうかは、また確かめに行くが、飯舘村にいるとき、体が軽く疲れがとれたことは確かだ。良い温泉、そうラドン(放射能)温泉に入ったときと同じだが、それよりものぼせない分だけ爽快だ。
飯舘村に入ったときの放射線量、1マイクロシーベルト毎時、色つやのよい牛のいる空気のすばらしい細川牧場では、3・5マイクロシーベルト毎時、箇所によっては6・2マイクロシーベルト毎時。
緊急時の一般国民が受ける上限としてICRP(国際放射線防御委員会)が認めた線量は、100ミリシーベルト年間、約10マイクロシーベルト毎時であるので、菅内閣の避難指示は、全く科学的根拠のない村民を流民として苦しめる暴挙である。 (以下省略)
世の中には、本当にさまざまな考えがある。このような「すぐさまに」答えの見出せない出来事では、さらに一層「正解」が分からぬ。しかし、事実は「事実」としてある。チェルノブイリの事故を調査するように命ぜられた13人の科学者のうち12人がガンで亡くなっている。
そこまでが事実である。その因果関係は「チェルノブイリ」なのかどうかは、色んな説があるのであろう。これが、今回の「福島原発」の将来なのかもしれない。
学校の汚染度合いが20mSvで「問題」になっている。この規制によって、100人に1人ガンが増えるという者もいれば、1000人に1人という学者もいる。
さらに、その「発病」は、5年、10年先の話である。皆が発病するわけでもなければ、ガンにかかる人が同時にかかるわけでもない。この難問をどうするのか。今、日本人が試されている。
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