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このまま死にますよ。  医者は静かに言った。シーズン1

 
 もう何年か前の話です。12月の日曜日の夜中の12時ごろ、おなかの左上辺りが痛み出しました。

 「腹が痛いがネェ」
 「私はしょっちゅうよ。我慢してるのヨ。正露丸でも飲んどきなさい。」
 冷たいお言葉が横からしました。

 痛みは1時間してもひどくなるばかり。
 「まだ、痛いがナァ」
 「もうすぐ、薬が効くわよ。トイレにでも行ったら。」
冷たく言い放されました。

 2時間たっても直らないばかりか「痛み」は腹全体に広がってきました。
 「どうもこれは違う。医者に行こうかな。タクシー呼んでくれ。」
とうとう、か弱い私は、カミサンに頼みました。
日曜日の深夜、開いている病院は、救急病院だけ。

 タクシーで着くと、結構多くの人が診察を待っています。(10名くらいか)
痛みはだんだん激しくなり、うずくまって背中を丸め、腹を押さえているので精一杯です。
 その姿勢しかできなくなりました。

 徐々に診察が進んで、もうすぐ私の番になりそうでした。

 そのときです。救急車が入ってきました。
救急患者が先に治療を受けます。当然です。
 今度こそ、私の番です。またもや、救急車が患者を連れてきました。
救急患者が先に治療を受けました。当然デス。私は処置用のベットでうずくまって待っています。
今度こそ、私の番です。
 と、突然、救急隊から「交通事故」で重体の患者を連れて行くとの電話があったようです。
 病院内に緊張が走り、バタバタと医師や看護士さんたちが行き来しています。
「私の番?」にはとてもならない雰囲気です。
この方は後で聞いたのですが、残念ながら亡くなったそうです。

 今度こそ、私の番です。
 額には脂汗がにじみ、一層腹痛が激しくなってきました。
 そのときです。救急車が入ってきました。

 またもや救急患者が先に治療を受けます。トウゼンデス。
 今ですから笑い話のように書けますが、こんなに痛くなかったら椅子を蹴って帰ります。
 
 朝が白々あけてきています。こんな調子で、「私の番」は午前8時でした。

 病院に着いて6時間。痛みと格闘しながら待ったのです。
 あっ、ちょっと書き忘れました。
この間に救急車で来た5、6人の方はみなさん、そそくさと帰られました。
帰られた皆さんは「便秘」や「風邪」(そんなので救急車で来るなよ)でした。
 隣のベットで待っていましたから、聞こえてしまいました。

 その夜朝まで病院に居たのは、あの交通事故で「バラバラになられた方」と「私の番」を待ち続けた私だけです。

 ついに「私の番」になりました。
この痛みを抑えるために、優秀な医師は「注射かなんか」してくれるだろうと、期待に胸が高まってきました。
これで楽になれる。本当にうれしかったのです。

 「昨日の夜、何を食べました?」
「ご家族も同じものですか。」
「あなただけ食べたものは?」

尋問が続きます。痛みはスコーシ治まってきました。
 家族同じものを食べて、他のものは異常がないことを話しました。
 もちろん、私だけ毒を盛られたのならともかく。
 ありえるか?

どうも先生は食中毒を疑っているようです。痛いは痛いのですが、だいぶ治まってきました。

 先生が静かにおっしゃいました。
原因は分かりません。バッファリンでも持って帰りますか。」
「それとも検査されますか。」


私は動揺を抑えて「センセェ、キノウの2時から待っているのですよ。バッファリンではですね。」

「それでは血液検査をしましょう。結果が出るのは10時ごろです。」
先生も激務です。朝の診察に行ってしまわれました。
 私はというと、エコーやスキャンの検査室へ行くように言われました。

 「はい、ベットに仰向けになって。」
 そんな姿勢が出来るようなら、ここに来ません、と言うのを必死でこらえて何とか、かんとか仰向けに短時間なります。長くは痛くて出来ないのです。
 スキャンもそうですが、やっとのことで終わりました。

 待合室で待つこと2時間。ようやく名前を呼ばれて、お医者さんの下へと参りました。
時計は10時を指しています。

 「急性膵炎(すいえん)ですね。××の値は正常値の3000倍、・・・・」
 「すい臓がですね、発作を起こして持っている消化液を吐き出したんですナァ」
 「おなかが痛くなったのはその消化液で自分の小腸を溶かしているからなんですよ」
 「消化液を吸収して脳にいってしまうと、そのまま死んでしまうんです。」
 「即、入院です。」


 ちょっと待ってください。心優しい私は思いました。
さっきは「ブァッファリン持って帰りますか」が「即入院」ですか。
 私は「入院は忙しくて出来ない。」----個人企業は本当に出来ないのです。---といいました。
 「薬ではダメなのですか。」
 先生が静かにおっしゃいました。「すい臓に効く薬はありません。」
 「じゃ、どうするのですか。」
 「絶食してもらいます。」
 「それなら家でも出来ます。」
 先生はしばらく考え込みました。
 「症状も落ち着いてきているから、まあいいでしょう。」
 「また、今度のようになったら必ず救急車できなさい。」

そう言われて、その日は帰ることが出来たのです。長い長い一日でした。

 これにはまだ続きがあります。そろそろ笑い転げられていると思いますので、それからの断食、そして1ヵ月後の出来事は次のブログに書きます。ここまできたら、次も読んでください。
おやすみなさい。
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COMMENT 3

ニャン子太郎  2012, 06. 08 [Fri] 22:39

笑いたい時にこの記事を読みます。
何故かわかりませんが嫌な事があった時に、
この記事でふっと笑います。

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リュウマのパパ  2012, 06. 10 [Sun] 02:54

Re: タイトルなし

> 笑いたい時にこの記事を読みます。

 なきたいときにもぴったりです。

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急で考えておきます  2012, 07. 27 [Fri] 01:19

たいへんですが、最近の出来事で、間に合ういますね。
何年か前の情報ですが、1入院で8万円位を超えると、請求すると戻ってきます。
1ヶ月2万円位を超えると、やはり戻るはずです。
何年も前のうら覚えですが。
タクシーの領収書も取っておいて、1年に医療費10万円を超えると、税金控除出来ます。

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