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ギリシャ国債は 75パーセント棒引きしても 破綻ではありません、という国際金融機関の不思議。   ギリシャ人がドイツに抱く不満の理由

  ギリシャ危機、投資家参加率が焦点 75%未満でデフォルト
                                                        毎日新聞 一部引用
民間金融機関など投資家が債務削減に応じるかどうかの期限が8日夜(日本時間9日朝)に迫った。9割以上の金融機関が参加すれば、支援策は円滑に実施に移されるが、参加率が低ければ支援策が破綻しかねず、ギリシャ政府は、債務削減に応じない投資家に強制参加させる構えもみせる。ギリシャ情勢は再び緊迫化している。

ユーロ圏は先月の財務相会合で1300億ユーロ(約14兆円)のギリシャ支援策で合意。このうち債務削減は、国債元本の53・5%を棒引きし、残る債務のうち31・5%を低金利で長期のギリシャ国債と交換する計画だ

債務削減計画では将来の利子の減額分を含めると「7割強」の棒引きになるとされ、欧米ヘッジファンドなど一部の投資家は参加に慎重な姿勢を示している。

市場が注目しているのが、参加率が9割を下回った場合、参加しない投資家にも強制参加させることができる「集団行動条項」。ベニゼロス財務相は「必要なら発動する用意がある」と適用する構えをみせる。この条項はギリシャ国会で先月成立した法律に明記。対象投資家の3分の2以上の賛同で、ギリシャ政府が発動できる。

 ギリシャが強制適用した場合、「保険」となる「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」の支払いが発動されるのは確実で、CDSの売り手の金融機関は損失を抱えることになる。ただ、CDSの残高は約32億ドル(約2500億円)で、金融機関は引当金を積み、損失に備えている。事態が想定内であることから、中央銀行関係者は「デフォルトであっても、秩序だったものとなる」と話す。                                              (引用終り)
Athens riots as cuts vote looms  msn news より
                  アテネの 緊縮財政反対 のデモは 大荒れとなった
 一般の国民から見て、ギリシャ危機は分かりにくい。つい先日、と言っても昨年末だが、EUが支援するかどうかで大もめして、ギリシャが 「財政の大幅削減」 を飲まされ、決着したのではないか …… そう思っていただろう。

 ところが、ニュースを読むと、9割以上の金融機関が参加すれば、支援策は円滑に実施に移されるが、なのだそうだ。何に自主的に参加するかと言うと、国債元本の53・5%を棒引きし、残る債務のうち31・5%を低金利で長期のギリシャ国債と交換する ことにであるらしい。

 利子の減額分を含めると「7割強」の棒引 だそうだが、そんな政策に自主的に参加するものは数少ないだろう。そこで、十重二十重に債権者に 『自主的合意』 を求める政策を打ち出している。それが「集団行動条項」というもので、ギリシャ国会で先月成立した法律に明記されていると言う。

 自主的借金棒引きに応じない者も、強制的参加したとみなす制度だが、まあ、普通の企業の倒産劇なら、一文 (いちもん) もならないのなら、いくらかでも貰ったほうが良い、と言うことで、借金の棒引きにしぶしぶ応じるだろうが、ギリシャ国債の場合は違う。以前にも取り上げたが クレジット・デフォルト・スワップ (CDS)  --万一、国がデフォルトを宣言した場合は、元本が保証される 金融保険 -- なるものが発行され、それが大量に売られている。

 その残高が 約2500億円 と記されているが、それは 多分 正規に国債を持ってCDSを購入しているものであって、噂されているように、ギャンブルまがいの CDSのみの購入者がいくら持っているのかは、把握できていまい。 

 そこで、更に念入りに 国際スワップデリバティブ協会(ISDA)(アメリカ・ニューヨーク)が、ギリシャ国債の債務交換は「クレジットイベント」(信用事由)に該当しないと発表し --全額がパーになるわけではないから、デフォルト(債務不履行)には当たらないという理屈 --、CDS支払は発生しないと報じた。これでは、世界を巻き込んだ一種の詐欺だ。

 この点について、ひょう吉の疑問 さんが次のように書いている。

経済規模の小さいギリシャという国の国債がこれほど世界経済に影響を与えるのは、ギリシャ国債に対してアメリカの金融機関が多額の信用保証をしているからである。

つまりギリシャ国債がデフォルトすれば、CDSによってアメリカの金融機関に多額の支払い義務が生じるのだ
アメリカ政府は何とかそれを食い止めようとしている。

しかしそれは日本中世の『徳政令』と同じなのだ。それを認めれば金銭契約は成り立たない。

アメリカはギリシャ政府を守るようなポーズを取りながら、その実守りたいのは自国の金融機関である。

もしこのようなゴリ押しが通り、アメリカの金融機関が甘い汁を吸うぶん吸って、あとの債務支払からは免除されるとすれば、国際社会の金融秩序は崩壊する。アメリカの金融機関が、アメリカという巨大国家の政治的圧力によって常にその債務が免除されることになれば、誰もアメリカという国を信用しなくなる。                   (引用終り)

 このギリシャ危機での 多くの方が持ってる 基本的な疑問 は「なぜ」ギリシャを助けるのか、なぜ、ギリシャ国民が ドイツをはじめとする先進国に 不満を持っているのか という点であろう。その点を 日経ビジネス (記者の目) を一部引用してみたい。           http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120228/229251/


 だが、仮にギリシャがデフォルトを回避できたとしても、今回の危機は、これまでユーロ導入よる経済成長が覆い隠してきた、欧州統合の暗い側面を浮き彫りにした。それは、ギリシャなど欧州周辺国の一部の国民が抱く、「ドイツに食い物にされた」という不信感だ。

 EUが進める欧州の統合・拡大戦略には、分かりやすく言えば2つの側面がある。何世紀にも渡って戦争に明け暮れた欧州に平和をもたらそうという政治的な側面と、巨大な単一市場を創造し持続的な成長を可能にしようという経済的な側面である。

ギリシャは自国の産業を育てる間もなく、欧州統合の波に急速に飲み込まれていった。かつてギリシャにも白物家電を作っていた工場があったが、やがてドイツの企業に買収されて、その工場はドイツからの輸入製品を保管する倉庫となった。

「他の欧州諸国にとって、ギリシャは借金を増やせる有望な顧客に映った。ギリシャは、潜在的な購買力が期待され、ドイツなど他の欧州諸国で作られた商品の消費地として欧州に統合されていった」とファロファキス教授は言う。

 賄賂や脱税などが横行する闇経済の大きさも、近代化の遅れを象徴している。実に、GDPの約3割に相当する規模の闇経済(シャドーエコノミー)が存在していると言われている。闇経済が蔓延していることで製品が正常に流通できない状況がある。

経済協力開発機構(OECD)によれば、ギリシャの年間平均労働時間は2109時間と、ドイツの1419時間よりもかなり長い。ギリシャ人は働かないと言われるが、実は働いている。問題は、まっとうな市場原理が働かなくなり、生産性が上がらないことだ。

こうしたギリシャ経済の構造的な問題を巧みに利用してきた外資企業を批判する声もある。闇経済の存在をドイツなどの企業も知りつつ、むしろ活用してきたというわけだ。一例として指摘されるのが、独シーメンスのスキャンダルである。シーメンスはアテネ五輪におけるギリシャの政府調達で、ギリシャ政府高官に賄賂を贈ったとされ、「贈収賄で私腹を肥やす政治家の陰に、独企業あり」との印象をアテネ市民に植え付けている

 ドイツなど西欧の中心国から見れば、ハンガリーなどの東欧諸国、そしてギリシャなどの南欧諸国は、新興国そのものだ。市場は未整備で、消費者の購買意欲は高く、地場の産業は弱い。西欧企業にとっては東欧・南欧は身近な新興市場で、参入の余地が大きく魅力的だった。足りなかったのは購買力、つまり、カネだ。そのカネを上手く借金で増やしさえすれば、そこは西欧の企業にとって有力な市場に化ける。欧州拡大を推進する西欧の中心国には、そんなしたたかな狙いがあったはずだ。

 「アテネの新しい遺跡を見たか」。アテネでタクシーを拾うと、運転手がそう語りかけてきた。デモによって燃やされたいくつもの建物のことだ。その運転手は、観光の町アテネのイメージを悪化させた一部の無政府主義者の仕業を許せないと語りながらも、緊縮策を押し付けるドイツやIMFに対して悪態をつき、「俺もいつかデモに参加し戦うつもりだ」と断言した。アテネを取材すると、危機は終息するどころか、欧州統合すら危うい状況にあると思えてならない。(引用終り)


 この記事は的をついて優れている。なぜ、ギリシャ人がドイツについて不満を持っているのか、きちんと説明している。ただ、仕事もせずに遊びほうけて、公務員天国で、税金もろくに払わず、年金ももらいたい放題 …… という無責任極まりない 「テレビ」とは比べ物にならない。
     テレビが報じるギリシャ人の1日
                         テレビが報じるギリシャ人の1日
 まあ、リュウマさんへ 「遊びに寄られる方々」は、そういう一方的な意見に疑問を持っている方々であろうから、釈迦に説法 ではあるが、物事の2面性は常に意識しておかねばなるまい。

 日本時間の 9日朝 には、またギリシャがどうなったかが、ニュースで取り上げられるだろう。その報道を、こういう下地を持って見れば、別の眼から見ることができる

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