外国での治療費 国費負担  カダフィの 高福祉政策が 新政権の重荷に!!   海外への支払いが滞る リビア政府

                                               2012年04月19日 中東TODAY
 独裁者カダフィを打倒する革命がリビアで起こり、遂にカダフィ大佐は最後の時を迎えた。それは昨年の10月23日のことだが、以来革命に勝利したリビア国民は、国家の金も政治も、あらゆるものを自由に出来る、と考えているのであろう。

 その結果、いま周辺諸国では迷惑なことが起こり、日に日にその被害を拡大している。それは革命闘争に参戦し負傷し、あるいは病気になったとするリビア国民が、周辺諸国に治療のために、出かけていることだ。

 ある者は病院に入院して治療を受け、ある者はホテルに滞在して通院しているのだが、全てとは言わないが、どうも彼らがいまだに治療を必要としているのかどうか、疑問が沸く者たちもいる。

 カイロで見かけたリビア人たちは、観光かと聞くと、決まって怪我の治療だと言うが、食欲は旺盛であり、身体の何処にも問題はなさそうだった。彼らに話しかけると、決まって『俺たちは革命を戦い、そしてカダフィに勝利したんだ、つまりジハーデスト(聖戦の兵士)だよ。』と胸を張って言うのだ。

 ところがそのジハードはいいとしても、滞在先では大分迷惑がられているようだ。ヨルダンが我慢できずに、このことを報道し始めている。これまでに、ヨルダンを訪問して治療を受けたリビア人の数は、5万人を超え、彼らの治療費と滞在費の合計は、1億2000万ヨルダン・デナール(JD)約138億円にも達しているというのだ。

 そのうち、リビア政府がこれまでに支払った額は、2000万JDで、つい最近になって、あと5000万JDを支払うという通知を、ヨルダン政府はリビア側から受けたということだ。ヨルダンではリビア政府が支払ってくる金を、ホテルや病院で分配しなければならないが,どうその金を分配するかが、問題になってきているようだ。(1JD=115円)

 経営状態のいい病院やホテルと、経営状態が悪くリビア人の支払いが滞っていたために、倒産しそうな状態に追い込まれている、ホテルや病院があるからだ。また、残金が何時支払われるのかも、明らかになっていない。

 以前、ヨルダン政府がリビア側に支払いを求めたとき、リビア政府は『当分待ってくれ、資金の手当が付かない。』と返答していた。しかし、今では石油生産と輸出が、革命前の状態とほぼ同じになっているというのだから、そんな言い訳は通じまい。

 問題はリビア国民のこの大散財が、カダフィ体制の時代は認められており、なんら問題はなかった ということだ。もし、リビア新政府が支払いに困り、リビア国民に外国での治療は控えるように、ということになれば、たちまちリビア国民はリビア新政府に反発しよう。困ったことに彼らは皆、機関銃を持っているのだ。したがって、新たな革命や国内暴動が起こる危険性すらあるのだ。

 革命は全ての国民に平等の権利を与える、ということだろうが、その付けが全てリビア新政府に回り、 リビア新政府の支払いが遅れれば、周辺諸国はとばっちりを受ける、ということのようだ。カダフィ大佐が行っていた国民福祉が、今になってリビア新政府を、苦しめているということのようだ。           (引用終り)

 新政府が 「カダフィの福祉政策」をどの程度引き継いでいるのか知らぬが、上の記事を読む限り、大半をそのまましているらしい。リビア国民や、外国にいるリビア人も、この政策の恩恵に預かっているのだろうが、アメリカや日本の下層階級がビックリするほどの 高福祉政策である。

 記事中、 問題はリビア国民のこの大散財が、カダフィ体制の時代は認められており、なんら問題はなかった ということだ。と サラッと書いてあるが、これらを継続することは、新政権にとっては 難題だろう。 もう一度、どういう政策だったか、簡単におさらいしてみよう。

 家族手当 年約           ¥76000            赤ちゃんが産まれるたび  約¥532000
 結婚手当て一戸建て助成金 約¥5000000無税       個人的起業の助成金    約¥1500000
 教育費大学卒業まで   無料  就職できない場合は、就職するまで 公務員と同額の失業手当
 医療費生涯        無料  国内治療が出来ない場合は、外国への旅費、宿泊費、治療費 全額国費負担

 これら以外も、 電気代は無料とか、 車の購入費は半分負担するなど、とても手厚い政策をしていたわけだ。今回のニュースは、色文字の部分に当たる。これは、リビア国民の権利として認められていた。当初はアフリカ独立のために 「カダフィ」 が蓄えていた金があったろうから、それで回るとしても、1年と持つまい。

 甘い口車に乗せられた 「ジハードの戦士」たちは、カダフィ 以上のことが出来ると思い込んでいるから始末が悪い。アフリカ独立の支援 ( これが、欧米が介入した理由だと言われている ) と 国民への分配しか考えていなかった政権と違って、普通の国になってしまった今のリビア政府が 「音」をあげるのにそんなに時間はかかるまい。 

 リビア国民が、『新自由主義』とは、どういうものかを知れば、もう一度革命が起きるかもしれない。しかし、二人目の カダフィ は、そんなに簡単には見つかるまい。


 
スポンサーサイト

COMMENT 0