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誰も書かない八ツ場ダム  ダム事業の後ろにある物

 八ツ場ダム問題がいまだにもめている。イジワル シタロー知事を筆頭に(失礼石原慎太郎知事でしたね)近隣5県の知事がバスで八ツ場ダムの現場に駆けつけ、工事の続行を主張したそうである。

 本ブログでも、9月は数回にわたり取り上げ、大勢の方に読んでいただいた。
誰も書かない八ツ場ダム 参考までにポチっとお読みください。石原知事八ツ場ダムへ
 「ダムサイトでこのような場所は他にありません、」との国土交通省の説明に「そういう事はもっと積極的に言わないと……役人は宣伝べたで困るよ。」とご機嫌のイジワル シタロー知事。

 前原誠司国土交通相が中止を明言している八ツ場ダム(群馬県長野原町)の事業費を負担している6都県の知事が19日、建設予定地を視察した。
 群馬県特定ダム対策課によると、6都県の知事が一緒に現地を視察するのは初めて。東京都の石原慎太郎知事が呼び掛けた。
 長野原町の高山欣也町長ら地元関係者との意見交換会で、石原知事は「異常気象のもたらす災害は頻発している。利水、治水含めてダムを造っていくことは絶対に必要だ」と述べた。

 6人は意見交換会に先立ち、ダム本体の建設予定地で、案内する国交省職員に岩の性質や強度などについて質問し、説明を受けた。建設された場合に水没する川原湯温泉なども視察。
                                【産経ニュース】


 国が実施するダム事業は当初計画の2~3倍の事業費になるのは日常茶飯事だ。こんなに増えてどうやって国会の審議を通らせてきたのか、今までの政権のデタラメぶりが分かる。家を建てても会社を建てても、塀や門、駐車場など、後から追加工事が出ることはあっても、総額が2倍、3倍……などありえない。しかし、国がやると、有能な官僚諸君がこの程度の計算しかしないらしい。

 書きたくはないが、最近のダム工事の現実を一覧にした。

       ◆事業費が大きく増えた主な国のダム事業◆

               当初事業費    現在の事業費  建設決定時期

沙流川総合開発(北海道)   540  1313( 2.4倍)    83年

湯西川ダム(栃木県)      880  1840( 2.1倍)    86年

八ッ場ダム(群馬県)      2110  4600( 2.2倍)    86年

滝沢ダム(埼玉県)        610  2320( 3.8倍)    76年

大滝ダム(奈良県)        230  3640(15.8倍)    72年

志津見ダム(島根県)      660  1450( 2.2倍)    88年

大山ダム(大分県)        625  1400( 2.2倍)    92年

川辺川ダム(熊本県)      350  3330( 9.5倍)    76年
                   ※金額は億円

 八ッ場ダムで例をとると、工事の落札率(予定価格に対する実際の落札価格の比率)は94%であり、決して官僚が不当に安く見積もり、落札者がいなくて、シブシブ価格を上げたのではないことが分かる。では、いつ誰がこんなにオーバーな予算に作り変えてしまうのか。本当に疑問である。

 国交省関東地方整備局が2001年4月から06年3月に発注した関連工事や業務で、 落札額が1億円以上だった入札76件のうち65件が落札率(予定価格に対する実際の落札価格の比率)94%を超えていることが17日、国交省がまとめた資料で分かった。 99%以上も8件あった。

 資料によると、03年3月に契約した県道林・吾妻線新設工事(落札額2億9千万円)の落札率は 99・47%で、大柏木トンネル新設工事(同34億円)は
97・12%。05年9月契約の須川橋改築工事 (同3億500万円)は落札率
98・3%、06年3月契約の県道林・吾妻線2号橋下部工事(同5億6千万円) は98・34%だった。 また「現場技術業務委託」として、特定の社団法人が
5回にわたり98~99%の落札率で受注。 04年10月当時、この社団法人の役員に再就職した元国交省職員が2人いた。 09年4~9月の工事22件でも18件が落札率94%を超えていた

 この調子で工事を進めて、本当に予算内で完成するのだろうか。誰しも疑問に思うところである。

 ダム建設は押し並べて事業費が数百億円で、事業期間が20年にも上る。「10億円単位の売上が20年間にもわたって約束される」こんな「おいしい話」は土木・建設業者にとどまらず、官僚も大歓迎である。このため、ダムを作る名目は後から付いてくることとなる。

 ダムは国交省の専売特許ではない。その上を行く農水省の直轄事業に「国営かんがい排水事業」がある。意外に知られていないが、農水省が事業主体となっているダムは、建設中のものだけでも全国で15を数える。実は、この農水省がろくでもないダムを全国各地で建設しているのである。

 本来は「田んぼに水を引く」ためにダムを作り水路を作る事業である。 しかし、長年「コメ余り」が続いており、もうダムを作る必要はなくなってしまう。そこで農水官僚がひねり出したのが「畑地かんがい」である。
 一部の野菜などを除き、雨などで作物は育つ。しかし農水官僚は「もし日照りが続いたら」という理屈を持ち出して、「畑用のダム」を作り始めた。
 田んぼ、畑と来れば、次は牧場(正確にいうと牧草地)である。

 北海道の稚内や根室などの道北・道東地方では、夏も気温が上がらないため、コメをはじめ麦などの一般の農作物は栽培が難しい。低温でも生育が可能な牧草を生産して牛の餌とし、それで牛乳を搾る「酪農」が盛んである。農水官僚はこの酪農に目をつけた。「日照りが続くと牧草にも水が必要」であり、このため「ダムが必要」だと……。

 実のところ、田や畑よりも牧草地は水を必要としない。しかも北海道の酪農家1戸当たりの牧草地面積は道北・道東では60haを超える(東京ドーム15個分!!)。こんな広大な面積に、水を撒くことなど、果たして可能であろうか?

 雄武町のダムの総事業費は340億円にも上る。国営事業の負担割合は、一般的に、国庫70%、都道府県20%、地元10%となっている。これに基づくと、雄武町・地元農家が負担する金額は34億円で1戸当たり4,500万円の負担である。農家にとって、これはなんの役に立つのか。

 ダムでもまだ、水がためられるのは良いほうである。水漏れが激しくて水がたまらないダムもある。
 熊本県産山村に建設した大蘇ダムだ。 
 地元の人によると、周辺一帯は阿蘇の外輪山の東麓で、いわゆる火山灰地。地盤も脆弱のため、地元の人たちは当初から水をためるのは難しいのではないか、と語っていたという。
 大蘇ダムの建設は1979年に始まったが、地元の人たちの懸念が的中してしまった。建設地に多数の亀裂が見つかり、工事は難航。工期と事業費が膨らむ一方となった。2005年にやっとダム本体が完成したが、事業費は計画当初の約130億円から593億円にまで増大した。

 しかし、ダム湖からの水漏れが激しく、計画通りに水が溜まらなかった。当然のことながら水利用はできず、原因と対策の検討で事業は宙ぶらりんの状態が続いている。

 水の溜まらない欠陥ダムは他にも存在していたのである。北海道の東郷ダムだ。こちらも農業用水用のダムで、事業主体は農水省(北海道開発局)である。このダムも93年度に本体工事が完了したものの、事業費は当初の約63億円から約379億円に膨らんでいる。そして、使い物にならない。

 国交省も負けてはいない。上の表に出てくる「大滝ダム」(奈良県)当初計画は230億円だが水を入れてみると周辺地域で地滑りが生じた。この対策をするために、なんと「当初の15.8倍」の3640億円をつぎ込むも見込みが立たず、未来は濃い霧の中にある。
 ところで、八ツ場ダムも浅間山の火山灰で出来た土壌が多く、過去に地すべりが多発した地域らしい。水を入れたとたんに「地すべり対策費」がガッポリ出て行く可能性を否定できない。

 さて、次に各知事さん達に問いたい。本当にダムが必要なのかどうか。
 下は八ツ場ダムに関係する一都五県の水需要と水資源の関係をグラフである。
              水資源量

 東京都も茨城県もすべての都県において、水は余っている。八ツ場ダム事業に自治体が参加するころはバブル景気で、少子化もそれほど言われてはいなかったが、これから、いずれの都県も人口の増加は考えにくい。更に個々の節水意識が高まり、家庭電化製品も節水志向になってくる。

 今以上に水の需要が急拡大する余地は乏しい。この表には出ていないが、工業用水は更に余っている。茨城県を例に取ると、「人口は78年当時に想定した数字よりも100万人下方修正」なのだそうだが、水需要は当時のデーターをそのまま使っているらしい。不思議なことだ。

 東京都で余っている水で、茨城県が十分賄えるではないか。選挙のときにカシマケンセツやスミトモフドウさんなどにお世話になっても、ここは高い見識を持って「不要」なら不要とはっきり述べてもらいたいものだ。事業だけが必要なのか、ダムが必要なのか。確かに、仕事を織り込み済みの人々に突然中止では、年末も乗り切れまい。

 生活支援をする事業もある。そういう総合的な対策を立てるとして、ダムは必要かどうかを真剣に各知事は考えるべきであろう。




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Tag:八ツ場ダム 農水省 大滝ダム 地すべり

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