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どうなる普天間基地問題  情報の後ろにある真実Ⅰ

 普天間基地をどうするか、について書くのはいささか気が重い。民主党政権がその結論を先送りしたことに対して、マスコミも含めて非難の渦が起こっている。アメリカ政府の堪忍袋の緒が切れるのではないか、と心配する向きもある。---これは何を意味するのか、分かっている人は少ない。---
 ところで、なぜこんなに「沖縄米軍基地問題」がこじれてしまうのか、一度そこに焦点を当てねば、近々の問題のみを取り上げ、感情論に走ったところで解決策が出てくるとは思えない。鳩山首相がアメリカに「期待を過度に与えた発言」があったとすれば、それはそれで問題となるが、この問題の根本的な解決には別の視点が必要である。
 さて、現在の在日米軍について、その総数は次のようになる。
                      外務省発表 (平成20年3月31日時点)
所在地別   軍人  軍属   家族    計(人)
本土所在  22,078  2,770  24,406  49,254
沖縄所在  22,772  2,308  19,883  44,963
合計     44,850  5,078  44,289  94,217
 この数が多いか少ないかは各人で違おうが、沖縄に過度に集中していることは認めざるを得ない。 
現在の米軍の展開地域は、米国本土と洋上を除くと、以下の国、地域である。
アラスカ、カナダ、メキシコ、キューバ(グァンタナモ)、プエルトリコ、バハマ、エルサルバドル、ホンジュラス、ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ブラジル、アルゼンチン、チリ、アイスランド、グリーンランド、ノルウェイ、英国、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、ルーマニア、ギリシャ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア・モンテネグロ、マケドニア、キプロス、トルコ、グルジア、ロシア、ニジェール、セネガル、南アフリカ、エジプト、イスラエル、ヨルダン、サウジアラビア、カタール、オマーン、イラク(作戦展開)、バーレーン、アラブ首長国連合、アフガニスタン(作戦展開)、パキスタン、ジブチ、ケニア、ハワイ、グアム島、日本、韓国、中国、タイ、フィリピン、シンガポール、インドネシア、インド、オーストラリア、ディエゴ・ガルシア。
 世界中に広がっているが、そのうち特に駐留軍が多いのは
   ドイツ       66,418      イタリア   11,841
   イギリス      10,752      イラク   192,600
   アフガニスタン  19,500      韓国    30,983(単位 人)
 と日本の7カ国であり他は100人から1000人程度の少数である。
 イラク、アフガンは現在戦争状態であるので別格とすると、第二次世界大戦
敗戦国
で(韓国は日本の植民地)終戦後そのまま居座った感が強い。
 従って世界でも米軍の犯罪や地位協定に対する不満も大半が「日・独・伊・韓国」に集中している。犯罪者の引渡し条件も日本同様「起訴後」やそれに近い形になっており、「治外法権」に近い。

 基地の話となると、必ず「米軍の犯罪」が絡んでくる。
身近でないと分かりづらいが1952年から2007年までに公務内外における在日米軍による事件事故件数は20万件、日本人が巻き込まれて死亡した人数は1,076人である。( 1972年の沖縄返還前の沖縄県内の数は含まれていない。)
 また、1985年から2004年までに在日米軍による事件・事故で軍法会議にかけられた者は1名で、懲戒処分者は318人である。
 軍法会議までいったのは、わずかに1件しかないのである。沖縄県民が大抗議集会を開くのも理解できよう。
 さらに、機密解除された米国の公文書によると、日本は在日米軍関係者の犯罪について、1953年に「重要な案件以外、日本側は裁判権を放棄する密約に合意し、その後5年間に起きた約13000件の事件のうち、実際に裁判が行われたのは約400件で、97%の裁判権を放棄していたことが判明した。
 また、1958年、日米安全保障条約改定にあたり、米側は岸信介首相に、裁判権放棄を公的に表明するよう要求したが、岸は認めなかった。自民党政府は裁判権放棄はしていないとしているが、1995年の沖縄米兵少女暴行事件など、多くの事件が不起訴処分になっており、密約通りに裁判権放棄が慣例化されていると指摘されているのである。基地に直接関係していない沖縄住民が基地に反対する気持ちは理解できるのではないか。

このような犯罪の問題だけでなく、基地問題には金銭が絡んでくる。日米安全保障条約で基地の無償提供が義務付けられており、その経費は当然支払わなければならないが、それ以外にも米国軍への金銭的手当てがある。その代表が「思いやり予算」と言われるもので、1978年 62億円で始まった予算が1990年には1680億円1995年には2714億円に膨れ上がってしまった。
           
                思いやり予算の推移
1978年 62億円 1990年 1680億円 2002年 2500億円 2006年 2326億円

1979年 280億円 1995年 2714億円 2003年 2460億円 2007年 2173億円
1980年 374億円 2000年 2567億円 2004年 2441億円 2008年 2083億円
1985年 807億円 2001年 2573億円 2005年 2378億円    (予算) 

日本と同じく敗戦国の旧西ドイツ、東ドイツにおいても在独米軍、在独ソ連軍に対する「思いやり予算」が存在していた

 思いやり予算の内訳は在日米軍基地職員の労務費、基地内の光熱費・水道費、訓練移転費、施設建設費などである。 思いやり予算の開始当初から2006年までに日本が負担した駐留経費の総額は3兆円に及び、その額の多さから、日本は「世界一気前のいい同盟国」と揶揄される一方で、「重要な戦略的貢献となっている」とアメリカ政府に評価されている。こう調べていくと、第二次世界大戦の敗戦国が今でもその影響を引きずっているのがなんとなく分かる。
 視点を変えてみると、これらのいずれもが(日本、ドイツ、韓国)現在の世界経済を牽引しているのは、逆説的で面白い。何のカンの言っても、軍事費は国民のためにはなっていないようだ。

 ブッシュ大統領は2004年8月には、今後十年でアジアを欧州に展開する米軍約20万人のうち約3分の1にあたる6~7万人を家族ら10万人とともに帰国させる計画を公表している。日本に展開する米軍基地や部隊の見直す在日米軍再編協議が3月末にまとめられる予定なのも、こうした世界的再編の一環である。

 ドイツでは大幅な米軍の撤退が実施された。その際駐留基地のある各市の市長が「駐留継続を求め」ホワイトハウスに陳情に行ったのも事実である。戦後64年、駐留軍に依存した経済を即座に切り替えろというのは無理がある。普天間基地をなくすとしても、日本でも土地を貸したり、基地に勤めていたり、軍人やその家族に依存して生活している人々がいる。この人たちのしばらくの間の生活は、ある程度国による援助が必要となろう。

 アメリカ軍基地は、その実態はともかく「建前上」は日本が無償で基地を提供し、「米軍」に駐留していただいているのである。アメリカ、イギリスに反抗した国々に対する「刑罰」見たいなものだというのが、世界的視野に立ってみれば良く分かる。「日米安保」に賛成するにしても反対するにしても、この事実を知らねば「本当の解決策」は出て来まい。

 常識的に考えれば、「戦闘機」など、「日本、ドイツ、韓国」などが造れば、もっと優秀で価格の安い戦闘機が出来るはずであるが、これら「敵国」にこのような産業は許されない。
(写真説明 上が日本の主力戦闘機 F15 下が購入を拒否された F22 )
F15 写真
F22戦闘機
ステルス性が高いためにほとんどレーダーに映らず、さらに「1機でF-15を5機同時に相手にできる」「F-15を相手として100戦以上行われた模擬戦闘で無敗」という逸話ある。「いつでもかかっていらっしゃい。」というアメリカの言葉が聞こえるようである。

 F-15J/DJの調達価格はWIKIによると1機約120億円 米軍の調達価格は「一機当りのコストが約3,000万ドル(アメリカ空軍での単価)と高価な機体となったため」と書かれているから27億円。オプション装備の違いがあっても、上得意の客であることは間違いないが、アメリカを脅かす兵器の販売は同盟国日本に行わなかったのである。

 普天間基地の問題は「敗戦国問題」である。日本とアメリカとの間では今だ「これが現実」なのだと思う。
 アメリカに今しばらく時間をもらって、沖縄負担軽減を模索する「鳩山内閣」の姿勢は決して過ちとはいえない。
「小泉内閣」のように、国内の医療・福祉・教育(彼らはこれを聖域といった)を犠牲にしてまで、米国債を買い支えるような内閣ばかりならアメリカもうれしかろうが、国民はたまったものではない。
 世界の盟主として、少し「寛容な態度」で見守って欲しいものである。




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Tag:普天間基地 鳩山内閣 米国債 地位協定 機密 密約 思いやり予算 ドイツ F15 F22

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